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[ 本格/新本格 ]
京都利休伝説殺人事件
名探偵・星井裕の事件簿
柏木圭一郎 出版月: 2010年03月 平均: 3.00点 書評数: 1件

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双葉社
2010年03月

No.1 3点 クリスティ再読 2024/09/30 21:06
茶道ミステリ、とはいえねえ。うんまあ広義の「旅情ミステリ」というか、2時間ドラマというか...山村美紗の功罪というのもあるとは思うよ。日本伝統文化を背景に旧家に渦巻く殺意、とかね、そういうフォーマットに乗っかってお手軽に「ミステリ」できちゃう。

暁の茶事での主客の対話から始まり、道端で毒が回って死ぬ男。被害者は建仁寺で開催される「茶道検定」のグランプリ有力候補だった...被害者が手帖に残した言葉から、別な出場者に容疑がかかるのだが?

こんな話。被害者が死んだ毒はカエンタケ、しかし現場に残されたペットボトルには砒素が入っていた、という謎はあるが、大したものではない。いくつかのダイイングメッセージがメインかな。ダイイングメッセージって、クイーンがあんだけコダわったんだけど、ツマらないんだよね。だから「ミステリ」はカタチだけで、レギュラーらしいキャラの掛け合いをファンは楽しむのかな。

タイトルに「利休」って入っているけど、利休七則が参照される程度のこと。「伝説」って何の話だ?真冬に夜明けを待ちながら行われる「暁の茶事」は、評者の先生でも2回体験したことがあるだけ、と伺った。かなりのレアな茶事である。デテール描写にはツッコミどころも目立つ。ちなみに裏千家が主催する「茶道文化検定」が実在しており、紛らわしい。「茶道文化検定」は茶道の知識をいろいろテストしてくれるもので、本作で描かれたような「お点前ショー」ではない。つっか、お点前ってそもそも競技みたいに競うものではないよ。
(あと「結構なお点前でした」なんてホントは言わないものだからね....マンガかドラマの影響と言われるみたい。評者の先生キビシいから濃茶で「結構な服加減です」って答えても「ニワトリかいな!」と叱られる...)


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柏木圭一郎
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