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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 勇者たちの島 ジャック・ヒギンズ別名儀作品 (本作の表記はジェイムズ・グレアム) |
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ジェームズ・グレアム | 出版月: 1981年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 1981年03月 |
No.1 | 7点 | tider-tiger | 2023/05/15 00:01 |
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~イギリス軍属オーエン・モーガン中佐はサン・ピエール島に潜入し、ドイツ軍の魚雷艇による作戦を探るよう命じられた。かつて知ったるサン・ピエール島。現在はドイツ軍に占領されてしまっているが、この島はモーガン中佐の生まれ故郷であった。かつての恋人がいる。そして、ヒトラーの顔色ばかりを窺っているラードル大佐と高潔なシュタイナ特務曹長がモーガン中佐を迎えるのであった。
1970年イギリス。ヒギンズの重要作品。いよいよ昇り調子になってきた時期にジェイムズ・グレアム名義で出版された。本作でヒロイズムとニヒリズムが交錯したヒギンズっぽい世界観が確立されたように思う。あまり話題にならない作品だが、ヒギンズの最初の名作はこれではなかろうか。 ※人並さんがどこかで本作をヒギンズの傑作の一つだと仰っていた。同意です。 第二次大戦でのドイツ敗戦が目前となった時期に敵味方が入り混じった小島で繰り広げられる冒険活劇、英雄譚。話はわりと直線的に進み、すっきりとわかりやすい。お約束な展開をきっちりと描き切った感があって素直に愉しめる。ドイツの敗戦が目前に迫っているとしたのは正解だった。本作の主人公モーガン中佐がどうにも軍人らしくないように感じる。別にそれが悪いというわけではないのだが。 本作に登場するシュタイナ少佐は疑う余地なく『鷲は舞い降りた』の主人公シュタイナ大佐の原型だろう。軍人としての能力や人格の高潔さだけではない。「クソ無駄なことに命を賭ける」ここが重要ポイントのように思う。 ジェイムズ・グレアム名義の作品は狙い目ではないかと。いずれの作品も1970年~1974年のヒギンズが昇り調子だった頃に書かれており、『暴虐の大湿原』は未読だが、他の三作はどれも出来がよかった。 |