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[ サスペンス ] 殺人者 木部美智子シリーズ |
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望月諒子 | 出版月: 2004年06月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
集英社 2004年06月 |
新潮社 2022年10月 |
No.1 | 8点 | 虫暮部 | 2023/01/19 15:09 |
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事件の大枠をプロローグで明かしちゃって、残りの300ページ超は大丈夫なの? 大丈夫なのである。大トリックや大どんでん返しは無いが、それでも大丈夫なのである。とにかく読者の気持を呑み込む度合いが凄い。
“○○は人の姿に見えるが、実際はもう、人ではないのかもしれない” 人を殺した人非人、と言うニュアンスではない。孤独に濾過されて昇華してしまった魂について、この記述がストンと腑に落ちた。しかもそれ故に包容力に富み魅力的な人物であると言う逆説。 そして犯人は逃げ切り、いや、逃げさえせず、その結末に私はまず何よりも “良くやった” と思ってしまった。作者の力業に浸蝕された気分である。 |