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[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ]
赤穂浪士伝
海音寺潮五郎 出版月: 1988年12月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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中央公論社
1988年12月

文藝春秋
1998年10月

文藝春秋
1998年10月

No.1 6点 メルカトル 2023/01/11 22:49
本所・吉良邸において大石内蔵助を中心とした元浅野家中四十七人が本懐を遂げた元禄十五年十二月十四日。この大望の日を迎えるまでの浪士たちのそれぞれの日々を、丹念に綴った著者得意の列伝。上巻は、高田馬場の決闘で一躍名を挙げた中山安兵衛が堀部弥兵衛の養子となるまでの経緯を描いた「養父の押売り」他六篇を収録。
『BOOK』データベースより。

史実に虚構を交えた或いは完全なフィクションで描かれた、赤穂浪士達の討ち入り前の物語。ほぼ人情劇で、家族や想い人ら浪士を支えた人たちとの交情が叙情的に描かれており、止むに止まれぬ事情で別れを告げなければならなかった辛さ、悲願成就の為大切な人をも欺かねばならなかった武士道精神が心を打ちます。

登場順に、堀部安兵衛、堀部弥兵衛、奥田孫太夫、不破数右衛門、高田郡兵衛、矢頭右衛門七、大高源五が主人公。他に本所松坂町の吉良の屋敷の図面を恋人に用立てさせて苦悩する岡野金右衛門、片岡源五右衛門、磯貝十郎左衛門らも脇役で出て来ます。大石内蔵助は出番が少ない印象。
それにしても、みんな涙もろ過ぎです。


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海音寺潮五郎
1988年12月
赤穂浪士伝
平均:6.00 / 書評数:1