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[ SF/ファンタジー ]
ロリータの温度
写真 伊島薫
白倉由美 出版月: 2000年12月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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角川書店
2000年12月

No.1 6点 メルカトル 2022/11/30 22:59
大人になる前に死んでいく永遠の少女、名前はロリータ℃。透明で柔らかくはかなくて冷たい存在の「彼女たち」を描く幻想的な写真と6つの物語を収録した、ビジュアルストーリー。
『BOOK』データベースより。

「僕は六回死んだ少女を知っている」で始まるこの物語。果たして一人の少女が六回死んだのかどうか、一応十二歳の少女が一度死んで、その後脱皮するように甦るシーンがありますので、おそらく同一の少女だと想像されますが、各章ごとにシチュエーションが違うので何とも言い難い所があります。其処は読者の想像にお任せって事の様で、それ程重きを置いていないみたいですね。
ファンタジーと言うより、幻想小説の趣があり文体も詩的である種のイマジネーションを喚起させます。挿入されている写真も見開き2ページを目一杯使ったり、思い切った構図が見られ、それに一層拍車を掛けます。

個人的に好みなのはちょっとブラックなオチが味わえ、ミステリ的趣向を盛り込んだ第一章と、唯一少年の一人称で描かれ、途中でいきなり衝撃の事実を告げる第五章ですね。
第六章ではマイナーな小説のあの人物が登場し驚かされます、だったら良かったのですが、あるサイトでネタバレ告知無しのレビューでネタバレを読んでしまい、事前に知っており非常に残念でした。
写真の少女は設定十二歳の、それ相応のあどけない顔立ちとやや大人びた表情が印象的です。

ところでこの小説はロリータ℃という、前述の小説の作者が原作の漫画に登場する架空人格と同じ少女を起用していて、更に彼女のCDまで出ています。色々コラボしてややこしいですが、白倉由美と深い関係のある人が先の原作者という事で、キーパーソンとなっています。


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白倉由美
2000年12月
ロリータの温度
平均:6.00 / 書評数:1