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[ 本格/新本格 ]
泣けば、花嫁人形
斎藤澪 出版月: 1987年03月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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中央公論社
1987年03月

No.1 5点 nukkam 2022/07/10 22:22
(ネタバレなしです) 1986年に雑誌掲載され1987年に単行本出版された本書はサスペンス小説か本格派推理小説か微妙な作品です。C★NOVELS版の著者のことばを読むと、(地上げによって)やがて消えるというニュースがしきりだった新宿のゴールデン街の思い出として書かれたようです。風景描写はそれほどありませんが、そこに住む人々を描いてどこか怪しく退廃的な雰囲気はそれなりに表現されているように思います。母親を探す24歳の西尾えりか、母親の行方を知るらしいが教えようとしないゲイバーのママのハリー、そして刑事の岩田の3人が主人公で、ある時は対立しある時は協力し、追い払ったかと思うと探し求めたりしています。3人がそれぞれ抱える秘密や苦い思い出が思惑ありげに示唆され、それが殺人事件の謎解きとも有機的にからみます。人間ドラマを充実させた代わりに捜査や推理がややもすると添え物的に感じられてしまうのはミステリーとしては賛否両論かもしれません。


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斎藤澪
1995年04月
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平均:5.00 / 書評数:1
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1987年03月
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