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[ 本格/新本格 ]
綾峰音楽堂殺人事件
藤谷治 出版月: 2019年06月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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ポプラ社
2019年06月

No.1 6点 zuso 2022/06/19 23:11
経営難の地方オーケストラ「綾峰フィル」が拠点とする県立音楽堂が複合施設に改築されることになった。改築前の最終公演で、オケが無言の抗議として演奏したのは、ハイドンの交響曲第45番「告別」。舞台上の楽員が一人一人退場していくという風変わりな作品だ。そのさなか、音楽堂で人が殺される。被害者は、地元局のラジオ番組で助成金頼みの綾峰フィルを攻撃してきたDJだった。
大学教授の音楽評論家が、飄々と謎解きを進める物語の中に、文化を取り巻く世相が鋭く織り込まれる。「東京みたいなもの」を欲しがる地方都市、クラシック音楽に税金で補助する自治体の葛藤、政治、行政に圧力を加えるポピュリズム。音楽は誰のためのものか、深く考えさせられる。


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藤谷治
2019年06月
綾峰音楽堂殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1