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[ SF/ファンタジー ]
閉ざされた城の中で語る英吉利人
ピエール・モリオン 出版月: 1981年01月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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ノーブランド品
1981年01月

中央公論新社
2003年12月

No.1 7点 メルカトル 2022/02/23 23:26
文学的ポルノの傑作としてつとに名高い、匿名のフランス人作家が発表した地下出版物の完全無削除版。閉ざされた城という密閉された実験空間の中で、性の絶対君主が繰り広げる酒池肉林の諸場景を通してエロスの「黒い」本質に迫る。
『BOOK』データベースより。

「エロスは黒い神だ」とは帯の惹句。まさにその通りだと思いました。事細かに性描写をしている上に放送禁止用語の連発、なのに文学的であるのは作者の力量でしょうね。ただ後半城の主が語る自身の過去の談になると、一文が長いのに加えてややこしい言い回しが多いため、非常に読み難いです。主人と客以外の登場人物の個性など無視して、色々なタイプの女達を手を変え品を変え様々な方法で凌辱していく様は圧巻で、奇書と呼ぶに相応しい作品だと思います。

尚、本作は1953年に発刊された地下出版物であり、ピエール・モリオンと云う作家自体も正体不明だったようです。それが実はアンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの仮名で、後に『城の中のイギリス人』のタイトルで正式に発表される事になった訳です。
いずれにしても、個人で楽しむのは良いですが決して他人に薦めてはいけません。友達を失うことになりますからね。そして、エロ耐性のある人は面白く読めるかもしれませんが、そうでない人はご遠慮願いたい代物です。とは言え、私が思っていた程刺激が強いとは言い難く、気分を害するようなことはありませんでしたねえ。やはり『ソドムの百二十日』や『家畜人ヤプー』には遠く及ばないってことですか。勿論両作とも積読状態です、いつか読みますよ。


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ピエール・モリオン
1981年01月
閉ざされた城の中で語る英吉利人
平均:7.00 / 書評数:1