皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ その他 ] 死にたい夜にかぎって |
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爪切男 | 出版月: 2018年01月 | 平均: 8.00点 | 書評数: 1件 |
扶桑社 2018年01月 |
扶桑社 2019年11月 |
No.1 | 8点 | メルカトル | 2021/12/15 23:33 |
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「君の笑った顔、虫の裏側に似てるよね。カナブンとかの裏側みたい」―憧れのクラスメイトに指摘された少年は、その日を境にうまく笑えなくなった。“悲劇のようで喜劇な人生”を切なくもユーモア溢れる筆致で綴る作家・爪切男のデビュー作。出会い系サイトに生きる車椅子の女、カルト宗教を信仰する女、新宿で唾を売る女etc.幼くして母に捨てられた少年は、さまざまな女性たちとの出会いを通じ、少しずつ笑顔を取り戻していく。
『BOOK』データベースより。 すみません、ミステリではありません。しかし女はいつの時代もミステリーという事でお許し願いたい。尚これに対して異議申し立てのある方は、掲示板にてお願いします。 さて本作はリビドーと下ネタ満載の、恋愛小説の問題作です。ですが、エロくはありません。それでも生々しいのが何とも言えない魅力です。どうやら私小説らしいのですが、完全なノンフィクションではないと思います。これが実際の起こったとしたら余りにも波乱万丈過ぎますからね。ちなみに堀ちえみ、神谷沙織、岩崎恭子、松任谷由実、ポール・マッカートニー、江戸川乱歩、本田美奈子、大仁田厚ら多彩な顔触れの名前が出てきます。一体どのような描写が成されているのかは、ここでは書けません。更に、本サイトで必ず禁止ワードであろう単語も平然と現れます。 まあそれにしても、主人公の「私」(最後まで名前が公表されていません)は、冴えない男の様であって、女心だけは分かっているイケてる奴です。格好良くなくても女心が理解できる男はモテますからね。出会いと別れを繰り返す主人公には共感出来なくても、気持ちは痛いほど分かります。又、所々で心に突き刺さるフレーズが出てきたりして、凄まじい筆力を備えた人だと思いました。サッと読んでしまえば案外こんなものかとなるかも知れませんが、おそらく二回読めばその良さが分かると思います。正直、中身が濃すぎていまだに自分の中で消化し切れていない部分がある気がしています。その分何度も読み返せて、その度にクスッと笑えて切なくなる作品ではないかと感じます。 |