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[ 青春ミステリ ]
陽だまりの彼女
越谷オサム 出版月: 2008年04月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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新潮社
2008年04月

新潮社
2011年05月

No.1 6点 メルカトル 2021/07/05 22:13
幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。
『BOOK』データベースより。

何だよ、コテコテの恋愛小説かよと途中まで思いました。しかし私がそんなもの読むはずないじゃないですか。当然ただの甘ったるいだけの恋愛小説ではありません。勿論、そう云うのが好きな若い男女なんかにとっては持って来いの、待ってましたと言わんばかりのあまーい作品ではありますよ。でもね、そんな純愛ものと思わせて、実は密かに伏線をこれでもかと張り巡らせた立派なミステリなんです。そこにファンタジー要素が加わっていて、得も言われぬムードを醸し出しています。

まあ途中から展開がミエミエになってしまっている欠点はありますが、全体として万人受けしそうな作品に仕上がっていると思います。ネタバレになるまでは、そんな事が伏線だったのかと、あれもこれも、そういう事だったのかと半ば呆れてしまいました。
ただ私は涙の一滴も出ませんでした。映画の方は多分上手く演出されていれば泣ける映画になっていることでしょう。ラストはハッピーエンドともそうでないとも言えない微妙な締めくくりで、独特の余韻を残しています。タイトルも内容にマッチしていて良いと思います。


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越谷オサム
2008年04月
陽だまりの彼女
平均:6.00 / 書評数:1