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[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ] 天離り果つる国 |
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宮本昌孝 | 出版月: 2020年10月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
PHP研究所 2020年10月 |
PHP研究所 2020年10月 |
No.1 | 7点 | 小原庄助 | 2021/01/20 09:26 |
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地震による山崩れで、一夜にして消滅したという、飛騨白川郷の帰雲城を舞台にした、壮大なロマンである。
帰雲城主の内ケ嶋氏理が治める白川郷は、金山銀山を持ち、鉄炮に必要な塩硝を製造している。そんな白川郷に、竹中半兵衛を師とし、織田信長に仕える津田七龍太がやってきた。 領民が平和に暮らす国と、氏理の娘で最強の姫武者である紗雪をはじめとする、多くの人々に魅了された七龍太。信長の意に反してまでも、白川郷を守ろうとする。織田から豊臣へと流れゆく時代の中で七龍太は、頼もしい仲間たちと共に戦い続ける。しかし彼には、大きな出生の秘密があった。 史実を踏まえながら、どれだけ虚構の翼をを羽ばたかせることが出来るのか。その好例が本書と言ってもいい。恋・謎・戦いなど、エンターテインメントの要素を幾つもぶち込んだ物語は、とにかく痛快。しかも佐々成政が冬の立山連峰を踏破した"さらさら越え"や、帰雲城の消滅といった史実や伝説が、巧みにストーリーに織り込まれている。その中から浮かび上がる、理想の国の姿は、あまりにも美しい。 |