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[ 本格/新本格 ] 怪盗は探偵のはじまり |
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てにをは | 出版月: 2016年09月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
KADOKAWA 2016年09月 |
No.1 | 6点 | メルカトル | 2020/12/04 22:51 |
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父から怪盗ガ・ルーの名を受け継いだ高校生の渡瀬葉介は、ヨーロッパの至宝『アルトの鮮血』を盗みに入った美術館で、ブロンドの髪を三つ編みにした、青い瞳の少年に出会う。少年は探偵だと名乗り、その場に残された死体についてたずねるが、身に覚えのない葉介は風のように消え去るのだった。しかし、翌日何事もなく登校した学校で、転校生だという昨夜の少年、墨堂・ユリエル・綾虎に再会する!!
『BOOK』データベースより。 中編『アルトの鮮血』と長編『植物園黒魔術事件』から成るてにをはの新シリーズ?と言って良いのかどうか。『アルトの鮮血』は事件そのものよりも、どちらかと言うと登場人物、特に語り手の高校生兼怪盗の渡瀬葉介と転校生で探偵墨堂綾虎の人となりの紹介の意味合いが強い作品です。ロジックや伏線はほとんどなく、後出しの感は否めません。まあ軽い作風で読み易さは評価できると思います。そして、その後何と二人は○○を始めてしまいます、詳細は『植物園・・・』を参照という訳です。 その『植物園黒魔術事件』は作中でも書かれている通り、フーよりもホワイに特化した作品となっています。青春小説風の学内の描写を挟みながら、事件は謎めいた道具立てが揃って、まさに何故そのような状況が生まれたのかが強調されており、摩訶不思議な雰囲気を纏っています。しかし、犯人の目処は誰が見ても容易に付く事でしょう。問題はホワイダニットですが、これはそれなりに意表を突かれるものであり、ああなるほどと首肯せざるを得ない納得感はあります。 そして最後にオマケの様に付いている『エピローグの手触り』は青春の爽やかさを取り戻して、好感度を上げることに成功していますね。後味が良く、各登場人物に救いがあり結局落ち着くところに落ち着いて、一件落着ってな感じがとても好印象です。 |