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[ SF/ファンタジー ]
星の感触
薄井ゆうじ 出版月: 1994年03月 平均: 4.00点 書評数: 1件

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講談社
1994年03月

講談社
1997年03月

No.1 4点 メルカトル 2020/07/27 22:47
変わりたいと望みながらも「逸脱」できずにいる良治が出会ったのは、二メートル六十七センチの大男・猫田研一だった。さらに「成長」を続ける彼の身長は、ついに八メートルを越してしまう。その時、研一の恋人・伊藤タマコは、そして良治は…。心が目覚め、あなたが変わる。「自分革命」を起こす成長と癒しの物語。
『BOOK』データベースより。

何もかもが中途半端な感じです。どうにも食い足りないんですよ。主要登場人物四人の心の中に今一つ踏み込めていないので、感情移入も出来ないし、魅力を感じません。そして話のスケールももっと大きく奇想天外なものだと勝手に想像していたので、その点でも裏切られました。どこに焦点を置くでもなく、なんとなく物語が進行してしまって、何に感動すればいいのか分からないですね。荒唐無稽な話なのに、ドラマチックでもなくエキサイティングでもない。淡々としています。せめて何かの大きな事件が起こったりすれば、抑揚も付いたかも知れませんが、それもなし。

しかも、良治、タマコ、研一の妹七海に起こるちょっとした異変に何の解釈もなされていないのにも不満が残ります。作中では一応「成長」する過程での痛みとされていますが、納得できませんね。
余程感受性の強い読者なら、色々琴線に触れる部分があるのかも知れませんが、私には心に刺さるものが見当たりませんでした。ただ、一瞬を切り取った雨の情景などにはハッとさせられるものもありましたけど。


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薄井ゆうじ
1996年05月
午後の足音が僕にしたこと
平均:6.50 / 書評数:2
1994年03月
星の感触
平均:4.00 / 書評数:1