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[ 警察小説 ] 偽弾の墓 警視庁53教場 警察学校小説シリーズ |
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吉川英梨 | 出版月: 2018年05月 | 平均: 6.50点 | 書評数: 2件 |
KADOKAWA 2018年05月 |
No.2 | 6点 | makomako | 2019/08/25 08:34 |
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警視庁53教場の続編です。
この作家さんは警察関係にとても詳しいようで、前作に続き警察学校という多くの方が詳しく知らない世界を舞台としたお話です。警察世界というのはとても封建的ということは、学生時代に下宿した家が警察関係で下宿のおじさんから時々聞かされていましたが、これを読むと想像以上にすごいところのようです。ことにスパルタ主義の長田教場に入ったら、どうしても警察官になりたいと強く思う人以外はやめてしまいそうですね。 まあ、私が軟弱なのかもしれませんが。 女性がこういったお話を書くというのは珍しいと思いますが、読んでいくと女性が見た視点があちこちに広がって、最後は恋愛小説気味のお涙頂戴となっています。 これが好きな人はたまらないが、男の世界(とも言えないが)にこういった話を盛り込むのはうっとおしいと感じる人はあーあといった感じになりそうです。 |
No.1 | 7点 | 小原庄助 | 2018/09/27 09:45 |
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警察学校を舞台にした「警視庁53教場」に続くシリーズ第2弾である。
教官の五味京介が受け持つクラス「53教場」にはそれぞれの事情を抱えた個性豊かな学生が集まってくる。「53教場40名、全員卒業」を目標に掲げるが、ある殺人事件の容疑者として学生が浮上し、五味は学生を守るべく真相に迫る。 警察学校を舞台にした作品というと長岡弘樹の「教場」を思い出す人も多いだろう。長岡はアイデアに富む巧緻なプロットに重きを置くが、吉川はそれ以上に人間ドラマに焦点をあてる。ネタがぎっしりつまっているし、ドラマも多彩。 五味は妻に死なれ、その連れ子結衣と暮らしているが、結衣の父親が五味の同期の高杉哲也あり、その事実を高杉も結衣も知らない。いくら何でも作りすぎだろうと思うが、事件の進展と並行させていて、ラストは号泣ものの劇的場面を迎える。 伏線の回収も見事で謎解きもいいし、性格造形も優れていてドラマ構築も秀逸。実にエモーショナルな出色の警察小説のシリーズである。 |