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[ 本格/新本格 ]
切手収集狂殺人事件
黒木曜之助 出版月: 1988年12月 平均: 4.00点 書評数: 1件

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春陽堂書店
1988年12月

No.1 4点 nukkam 2018/08/25 23:39
(ネタバレなしです) 黒木曜之助(1928年生まれ)の最後の作品と思われる、1988年発表の本格派推理小説です。切手収集に縁の深い人間が相次いで殺され、個人的な動機と郵趣界を巡る動機と両方の可能性が追求されます。後者に関しては作中で紹介されている琉球切手の価格高騰・暴落や切手偽造家のスペラティがどちらも実在の出来事や人物であるところがノンフィクションライターとしても活躍していた作者らしく、暴かれる業界スキャンダルは全くのフィクションかもしれませんが現実にあり得るかもと思わせているのが巧妙です。マーサ・グライムズの某作品を連想させるどんでん返しが印象的ですが、読者に対してフェアに謎解き伏線を張っていないのが残念です。人間関係が相当乱れており、男は意中の女を力ずくで(または脅迫で)犯そうとするし女は意中の男に裸で迫るしという通俗性の強さも気になるところです。


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黒木曜之助
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