海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ サスペンス ]
蟻地獄
板倉俊之 出版月: 2012年04月 平均: 7.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


リトル・モア
2012年04月

No.1 7点 メルカトル 2018/07/11 22:22
二村孝次郎は、親友の修平と共に一攫千金を目論み、裏カジノに乗り込む。大金を手に入れたかと思いきや、イカサマは見破られていた。5日後までに300万円を差し出さなければ、人質にとられた修平は殺される。金をつくるため、孝次郎が向かった先は、青木ケ原樹海。19歳の青年は奔る!地獄から生還するために―。圧倒的筆力で読む者を欺く、超弩級ノンストップ・エンタテインメント!
「BOOK」データベースより。

お笑いコンビ『インパルス』の板倉俊之による長編第二作。
板倉氏は好きでも嫌いでもないですが、多分頭の良い人なんだろうなという印象は持っていました。しかし、これ程の才能の持ち主とは思いもよりませんでした。
予測不能なストーリー展開、すんなり頭に入ってくる、流れるような筆運び、個性的な人物造形、どれを取っても玄人はだしです。世間的には「所詮お笑い芸人が片手間に書いた小説もどき」と捉えられている風潮もあるようですが、この人は本物だと私は思います。何より、この世界観にのめり込めます、時を忘れて読み耽られます。それだけで十分じゃないでしょうか。

サスペンスとして登録しましたが、様々なジャンルが混在していますので、一言で言えばやはりエンターテインメントですね。冒頭の蟻地獄のエピソードからして、これは間違いなく面白いはずだと感じました。
あらゆるシーンに伏線が張り巡らされており、そこだけなら本格ミステリのようでもあります。小気味良いアクション、手に汗握るスリル、トラップの仕掛け合い、そしてヒューマンストーリーなどが存分に堪能できます。
また、命の大切さを教えてくれます。


キーワードから探す
板倉俊之
2012年04月
蟻地獄
平均:7.00 / 書評数:1