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[ 時代・捕物帳/歴史ミステリ ] 化け札
吉川永青	出版月: 2015年05月	平均: 6.00点	書評数: 1件

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講談社 2015年05月

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No.1	6点	小原庄助	2018/05/29 09:21
主人公は、戦国武将の真田昌幸。衰亡する武田家を見限ってから、徳川家の大軍を撃破した第一次上田合戦までの激動の時代が、硬質な筆致でつづられている。 戦乱の世で成り上がるために、何度も主君を変えた昌幸を、トランプの一種である「「天正加留多」で、他のすべての札に変えて使える化け札（ジョーカー）に擬し、その生き方を表現した作者の着眼点が優れていた。 さらに複雑怪奇な時代情勢を簡潔に説明しながら、昌幸の神算鬼謀を際立たせた、ストーリーもお見事。実在人物のみならず、下原村の新平という愉快なキャラクターを創造し、庶民の視点を挿入しているところも、注目すべきポイントだろう。