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遠い幻影
吉村昭 出版月: 1998年01月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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文藝春秋
1998年01月

文藝春秋
2000年12月

No.1 7点 斎藤警部 2017/09/22 01:53
私をミステリにして。。 (私を女にして。。 俺を.. 女に。。) そんな幻聴が遠くから届きそうなくらい、あと一歩n’1/4で如何様にもミステリ域に踏み込んでしまぇそうな、だがそこで立ち止まり、霞の中に佇んで終るような筋運びの、、日常のサスペンス短篇集。いや日常というには抉り過ぎる題材ばかりで、、むしろ非犯罪サスペンスと言うべきか。いや、それでいいのか。。。

時折ゾゥ とするような逸話を埋め込んでいるなど、または明らかにヤヴァぃ親族姻族の過去察知など、ミステリのその気にさせる飛び道具さえ所々見出せるんですが。。でもやっぱり敢えて手前で引いたよな美しい小説の数々(本人はそんなあんな意識してない風ですが)。 逆に「これがもし東野圭吾だったら。」とか「宮部みゆきだったら。。」とか(私の場合だと「佐野洋だったら。。。」がいちばん先に来る)、 色んなタイプの作家がミステリとして展開・完結・時に自爆した場合を妄想してみるのも、単に一興と言う以上の趣き深さを提供してくれるのはno doubt steady go でないかと思われます。

ごめん、しゃべり過ぎた。

梅の蕾 /青い星 /ジングルベル /アルバム /光る藻 /父親の旅 /尾行 /夾竹桃 /桜まつり /クルージング /眼 /遠い幻影
(文春文庫)

ともあれ、あのね、美しく、読んで愉しい短篇小説集です。


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吉村昭
1998年01月
遠い幻影
平均:7.00 / 書評数:1
1997年06月
朱の丸御用船
1990年01月
遅れた時計
平均:6.00 / 書評数:1