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[ ハードボイルド ] 黒いスズメバチ ルー・グリフィン |
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ジェイムズ・サリス | 出版月: 1999年06月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
The Mysterious Press 1999年06月 |
No.1 | 7点 | 空 | 2020/08/24 23:24 |
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1996年発表の本作の時代設定は1960年台後半で、語り手の黒人探偵ルー・グリフィンが、30年近く前の出来事を回想して書いているという設定です。会話途中などに、事件とは無関係な追憶を挿入したところもあるのですが、さほどうるさい感じはしません。これはこの作家の文章表現のうまさでしょうね。ハードボイルドらしい気取った感じはするのですが、スタイルとして確立されていて、不自然さがないのです。
謎解き、捜査小説としてのおもしろさはほとんどありません。「小説に出てくる私立探偵はみんなまちがっている。出かけていってだれかを捜しだす必要などないのだ。家で待っていれば、むこうからやってきて、こっちを見つけてくれる」(p.147)といった具合です。まあ最後には連続狙撃犯の意外な身元が明かされますが。 訳者あとがきにはチェスター・ハイムズが「ちらりと登場する」と書かれていますが、本人の講演会シーンのことでした。 |