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[ 本格/新本格 ]
幻女殺人事件
熊座退介警部補
岡村雄輔 出版月: 2013年04月 平均: 5.00点 書評数: 1件

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論創社
2013年04月

No.1 5点 nukkam 2016/04/09 08:05
(ネタバレなしです) 1954年発表の長編第3作の本格派推理小説でシリーズ探偵は登場しません(但し秋水魚太郎シリーズで共演している熊座警部補は登場しています)。謎解きは凝っていて、雪の上に犯人の足跡がない雪密室、幻のような「雪女郎」の目撃談、アリバイ崩しなどの数々の謎があり、容疑者は最終的にはわずか4人に絞られるのですが推理の結果、何と4人とも犯人ではあり得ないという、ジル・マゴーンの「騙し絵の檻」(1987年)みたいな展開になったのは驚きました(無論最後は犯人が特定されます)。さらにはどの手掛かりがどの章にあったかまで説明しています。(散発的ながら)容疑者たちの心の動きを描写して物語に深みを加えようとしているのもこの作者らしいです。こうした色々な長所がありながらも複雑な謎解きの説明が上手くなくてわかりくいので損をしています。この謎解きなら現場見取り図は欲しかったですね(第二の事件の謎解きは理解しきれませんでした)。なお本書は現代仮名遣いに改訂された「岡村雄輔探偵小説選Ⅱ」(2013年)で読むことを勧めます。


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岡村雄輔
2013年04月
幻女殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
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