皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
36239. | RE:RE:RE:RE:リチャード・コネル「閃光」前半(謎の呈示部まで) 弾十六 2024/04/10 10:32 [雑談/足跡] |
> [ 虫暮部さんのコメント ] > > (60)「トーチ」→単純な案を忘れていました。「懐中電灯」に「トーチ」とルビを振る、または「トーチ(懐中電灯)」と括弧で補足、というのはアリ? > ありがとうございます! これで安心! |
36230. | 太宰治原案「走れメロちゃん」アニメ版!高・ノユウチャン訳(オソマツ書房、2124年) 弾十六 2024/04/08 03:39 [雑談/足跡] |
格調高いこの欄には相応しくないので、バッサリ。誰か(バカボンボン?)の圧力ではありません。 興味のある方は「danjuurock 十六 × 二十」をご覧ください! オソマツ書房が、特に気にいってます。今更ジュブナイル(南先生には及びもつかないレベル…jなんてねえ。やっぱり頭の出来が悪いんだね! |
36226. | RE:『メグレとマジェスティック・ホテルの地階』の翻訳について tider-tiger 2024/04/07 19:27 [雑談/足跡] |
>>『メグレとマジェスティック・ホテルの地階』コメントの中で、翻訳文に疑問を呈されていた点について、原書と比較してみましたので、報告させていただきます。 コメントは拝見しておりましたが、せめて該当部分を読み直したうえで返信させていただきたく思い、参上が遅くなってしまいました。申し訳ありません。軽佻浮薄な独り言にこれほどのことをして頂けて、ただただ感激であります。 弾十六さんにも貴重なコメントを頂きまして、とても感謝しております。 > 20頁『だが、(メグレは)すぐに肩をすくめて、パイプをくわえなおすと、ゆっくりとふかした。朝いちばんの煙草だ。最高の味がする』後の二文、シムノンが書いたとは思えない。 空さんの訳文、弾さんの解釈について 自分は高野訳の問題の二文は実は原文には存在していないのではないかと憶測しておりました。それは勇み足だったようです。 自分はパイプはやりませんが、煙草は吸いますので朝一番の煙草が最高だという感覚は理解できます。大袈裟にいえば喫煙には儀式的な側面もあるのです。味だけではなく、喫煙時の一連の動作はこれに含まれます。そして、パイプの場合にはパイプを選ぶ、噛む、撫でるといった動作もそこに含まれるのではないかと推測します。 高野さんは喫煙はなさらないのではないかと想像いたします。煙草の愉しみ=味 という固定観念があって、原文にはない『味』を入れてしまったのかなと。 お二人のお考えについてはどちらが正解なのか断定はできませんが、誤訳であるかどうかはともかくとして、これら二つの文章をシムノンが書いたとは思えないという感想に変わりはありません。これが空さんの試訳であったならば、スッと呑み込めたように思います。 > 22頁『支配人の顔は暗かった。殺人事件が起きるなんて、ホテルにとっては大迷惑だ』二つ目の文章、小学生が読んでいるんじゃないんだからこんなわかりきったことの説明はいらない。 >試訳:支配人は沈鬱そうだった。メグレのような男に向かって、それはホテルにとっては災難であり、もし騒ぎを鎮める唯一の可能性があるとしたら云々などと言ってみても無駄なことなのだ。 文章の格調がぜんぜん違います。空さんは『災難』と訳されていますが、かりにここが『大迷惑』であったとしても、これなら幼稚には感じません。 複雑な文章を分けてしまうと、切り方によってはものすごく幼稚に感じさせてしまいます。 ※平易な文章は幼稚だと言っているのではありません。 >試訳:ラミュエルは階段に突進し、ホールの携帯品預り所に飛び込んで、受付係が運転手と話しているのを見つけた。「支配人は来てるか?」 受付係は顎で、執務室の方を示した。 >この部分を、高野優氏はどう訳しているか。 >ドンジュは言われたとおり、誰も来ないか、その場で見張っていた。その間にラミュエルは階段を駆けあがってフロントに行き、泊まり客の運転手と話していたフロントマンに支配人の居場所を尋ねた。支配人は執務室にいるということだった。 これは……。余計な説明はいりませんし、それ以上に問題だと思うのは直接話法を間接話法に変換、動作を間接話法へ変換、とくに後者はいけません。 これらは人物描写であり、またホテルの雰囲気を伝えるものでもありますが、印象が大きく変わってしまいます。 >その後の18頁14行目から、19頁全体の文章。この部分、少なくともGallimard社から2009年に出版された版には存在しません。 後出しですが、やはりそうかと。シムノンはこんなに親切じゃないし、いよいよメグレ警視のお出ましだ、みたいな演出も強い違和感ありました。 本作には他にもシムノンらしからぬ説明的な文章が多々見受けられました。 是非はともかく、高野訳はわかりやすさを主眼においているようですね。 シムノンは読者に対して不親切な作家だと思います。話者が誰なのかわからなくなる、状況がよく理解できない、こうしたことがよくあります。 そこを整理して、読者にきちんと伝わるよう説明的な文章を付け加えたり、表現をわかりやすくしたりしているのかもしれません。 自分としては普通に訳して欲しいのですが。 空さま、弾さまには本当に感謝です。 未熟な自分に今後も御教示いただければ幸いに存じます。 追伸 人並さんが同作品のあとがきについて、人称の間違いに触れていらっしゃいました。自分もあれは驚きました。 メグレシリーズは未読作品がおそらく10作ほどありますが、自分は一人称で書かれたメグレものは読んだことがありません。 |
36222. | RE:RE:リチャード・コネル「閃光」前半(謎の呈示部まで) 弾十六 2024/04/07 13:52 [雑談/足跡] |
虫暮部 さま、ありがとうございます! やっぱりたくさん独りよがりになっていたなあ、とおもいます。 校正者になって欲しいくらいです!(お金は全く出せませんけど) > [ 虫暮部さんのコメント ] > (42)「with white hair billowing back from a wizened face / 白髪は後ろに流れ、しわだらけの顔が出ている」→ billow は辞書引くと「大波を立てる、うねる、ふくらむ」とあるので、しわくちゃな顔と対比して髪はドバッと残っている感じかなと思ったのです。それなら訳語が「流れ」では静か過ぎかも? (代案無し) ◆ 具体的なイメージがわかないままの適当な訳語がバレました。Webでググると流れのある髪型のように思えたので… > (49)「それでもゲルダが心配なら」→ここだけ読むと「ゲルダのことが心配」と、ゲルダ=目的語にも読めます。はっきり主語にするなら「それでもゲルダが心配するなら」とか? まぁ文脈で判るけど。 ◆ それでもゲルダが心配するなら、採用で。 > (60)「jerked out / 前に出た」→ただ出ただけではなく「急にグイッと」みたいなニュアンスでは。「飛び出た」とか? ◆ ここは軽く流したいので、前に出た、くらいが良いと。エリカ・ジョングの飛ぶのが怖いのジャーコフをいつも同じ思い出します… (訂正2024-4-7 17:44 Longman LODCEを改めて見るとto say something quickly and nervouslyでした… 動作ではなく「素早く(神経質に)言った」ここではまだ動いていない) > (60)「You hold the torch. / トーチを当ててくれ。」→torch も flashlight も「懐中電灯」ですよね。日本文で読むと別なものだと思ってしまうかも。「トーチ=たいまつ」と知識があるし。原文で言い換えているのだから訳文でも換えるべき、と言う判断でしょうか。「照らしていてくれ」とか? ◆ なぜか、というと、トーチが英国英語らしい、と書いてあったので、作者がそこに意味をもたせてるのかも?というだけ。 > (62)「He's dead.Horribly dead./ 死んでる。ひどい状態だ。」→軽く検索してみましたが horribly dead の例文は見付からず。これは乱れた文、あわてて変な言い方になっているという演出では、と思うのです。そう考えるなら、上手に意訳せずに「死んでる。ひどく死んでる。」とか? ◆ たぶん用例はありうる、という感じなので、そのままで。("was horribly dead"と””で囲んでググると結構出てきました) > (68)「私はここに残る…彼とともに…検視官が到着するまで」→これだと文の切れ目が「私はここに残る。彼とともに検視官が到着するまで」とも解釈できて「彼が検視官と一緒に来る」みたいです。意訳で「私はここに残る…彼のそばに…検視官が到着するまで」とか? ◆ ここは虫暮部さんに全面的に賛成。自由に日本語を操りたいなあ! > (71)「the coroner,the doctor,the chief of police from the village across the dunes,and Andrew Moor. / 検視官、医者、砂丘の向こうの村の警察署長、そしてアンドリュー・ムーア」→ from 以下が the chief of police のみに掛かっているとの解釈ですね。私は三者全員かと思うのです。「砂丘の向こうの村から検視官、医者、警察署長。そしてアンドリュー・ムーア」? ◆ ここも虫暮部さんの感覚が正しいのでは、と私も思います! > (73)「こんばんわ」→「こんばんは」?「わ」を認めるかどうかは学者間でも意見が分かれる、とか読んだ記憶があります。別にいいかと思う一方、私のようにアレッと思う読者もいると指摘しておきます。 ◆ これはうっかり。(追記2024-4-7 19:16 意外と結構根深い。内閣告示昭和61年にことさら「こんにちは」と「こんばんは」の用例が示されてるのも気になる。志ん生の「こんちわ」はこの表記じゃないと嫌だなあ… 気づきませんでしたが、私は「わ」派かもです) > (75)「what else could it be? / 他にどんな可能性がある?」→英文和文並列で読むと、シンプルな単語の英文に「可能性」と言うやや硬い語を当てはめたアンバランスな印象。「他に何があり得る?」とか? ◆ ここは虫暮部さんの感覚が正しい! > (82)「There is only one thing it can mean. / 一つだけハッキリしている」→「それが意味することは一つだけだ」だからニュアンスがちょっと違うのでは。 ◆ 後者は直訳っぽくて… 日本語ならこういうのでは?を採用しました。→でもやっぱり気になるので、なんか考え中です。 > (83)ワン・センテンス「Mr.Moor was...」訳し忘れ。あと「rum-rnnners / 密造酒の輩」→「酒の密売人」ってことですよね。判るけど変な言い方では? 何か上手い言い方無いかな~。 ◆ 注意力が途切れてきてましたね。ここはまあ… 考えるのもめんどくさくて。適当です。ならず者もヘンテコですよね。 > (85)「a heavy stone」→「重石(おもし)」としたのは意図的なものですか。単純に「重い石」ではなく? ◆ オモシって読めるのか! 重い石のつもりで書きました。 > (97)「in the better light / 明るさのなかで」→「明け方の、夜よりはマシな薄明かり」って感じですよね。better も訳文に反映させた方が良いのでは。 ◆ ここはちょっと悩んだんですけど、最後の方は気力が抜けちゃいますね。マシなは英語表現では良く出てきますけど、日本語になりにくい、という個人的な感じがあって、まあいいや、とぶん投げました。「前回の調査時より明るいなかで」を上手くかんたんに表現したいです… 本当にありがとうございます。何かお礼をさしあげたいなあ。直しは我がブログでの発表時に反映いたします! |