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[ 本格/新本格 ]
火の鈴
小林久三 出版月: 1976年01月 平均: 6.00点 書評数: 1件

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角川書店
1976年01月

角川書店
1980年11月

No.1 6点 kanamori 2014/09/09 21:21
初期の傑作短編集。昭和50年から51年にかけて雑誌『野生時代』に発表された割と長めの短編が4作品収録されている。

表題作の「火の鈴」は、映画製作会社の若手助監督である「私」が、ある”幻の脚本家”を追い求めるうちに二十数年前に故郷・古河で起きた殺人事件の真相に行きつく話。田舎の映画館の知られざる慣例をアリバイトリックに利用するという点が元映画人の作者らしい。斜陽化した映画界の暗いトーンで作品全体が覆われた文芸的にも秀でた作品。
「火の壁」も映画界が舞台で、犯人のある偽装工作が映画製作の小道具を利用しているところは「火の鈴」と共通している。
「火の穽」は、ポオの「黒猫」を思わせる心理サスペンスですが、真相が予想できる点で編中ではイマイチの出来か。
「火の坂道」は、高台の家から毎朝乳母車を曳いて坂道をおりる若い母親の話。アリバイ工作というか犯行手段の異様さで非常に印象に残る傑作。真相が主人公の過去に跳ね返ってくるところも巧い。
本来の想いが叶わず屈折した心情を抱えた男性主人公という設定が多いのは、なんとなく森村誠一の初期作品を想起させるところがありました。


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小林久三
1988年03月
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