海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
日蝕の檻
小林久三 出版月: 1977年11月 平均: 6.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


講談社
1977年11月

講談社
1980年10月

No.1 6点 2014/01/28 00:20
映画の助監督や脚本家の経験もある小林久三が、第二次世界大戦後の日本映画界の影の部分を描いた大作です。
作中では、日本映画がどん底状態だという見方が常識であるように書かれていますが、1977年発表ということは、たとえばその前年に『犬神家の一族』が公開され、むしろ上向きになってきた時期のように思えます。また作者の言うごく一部の「良心的な映画」には寅さんも入りそうにないのですが、まあそこはテーマを明確にするための誇張なのでしょう。事件の黒幕の正体は最初からわかり切っていますが、社会派的な部分は充実しています。
ただ構成的に見ると、ベテラン刑事、若手のプロデューサー、脚本家の妻の3人の視点を切り替えていく手法とか、フラッシュバックで捜査過程を説明する手法など、さほど効果がないように思えます。シリアスな作風だけに、もっとストレートに書いてもらった方がいいような気がしました。


キーワードから探す
小林久三
1988年03月
最終電車を待つ女
平均:5.00 / 書評数:1
1980年04月
むくろ草紙
平均:5.00 / 書評数:1
1979年08月
真夏の妖雪
平均:7.00 / 書評数:1
1978年06月
皇帝のいない八月
平均:6.00 / 書評数:1
1977年11月
日蝕の檻
平均:6.00 / 書評数:1
1977年01月
錆びた炎
平均:6.00 / 書評数:1
1976年01月
火の鈴
平均:6.00 / 書評数:1
1974年01月
暗黒告知
平均:7.00 / 書評数:3