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[ 法廷・リーガル ]
メアリー、メアリー
ホープ弁護士
エド・マクベイン 出版月: 1996年05月 平均: 4.67点 書評数: 3件

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早川書房
1996年05月

No.3 6点 ことは 2023/05/13 17:40
リーダビリティはすごく高い。 登場人物がみんな知っている事件の概要を、法廷シーンで小出しに知らされる構成がよい。少しずつ明かされる事件の状況に引っ張られて、ぐいぐい読まされてしまった。一気読み。
これは、一人称の語りに久しぶりに戻ったこともある。やっぱりこのシリーズは、三人称よりホープの一人称のほうがいい。
だけど、結末の付け方がなぁ。「あっち、と思わせて、こっち」という意図は感じたけど、成功している気はしない。そもそも「この結末はどうなのよ?」って話。
結末の残念感の減点より、終盤まで一気に読まされた加点を重視して、採点はおまけ。
マクベインの法廷物が他にあったら読みたいけど、あるのかな?

No.2 4点 八二一 2022/12/09 20:22
法廷ミステリのジャンルに属し、弁護士側と検事側の論争テクニックが本書の中心になっている。題材はいささか新鮮さに欠け、結末も早い段階で予想がつくが、ストーリー展開は軽快で楽しく読み進められる。

No.1 4点 2019/03/04 07:37
 「メアリー、メアリー、すごいへそ曲がり。どうしてあなたの庭はよく茂るの? 銀の鈴やら貝殻や、かわいい少女が一列に・・・・・・」
 マザーグースの一節を思わせるショッキングな事件。三十年以上教職に在ったメアリー・バートンは、八月の終わりの数日間に、次々に三人の少女を殺害した罪で起訴されていた。少女たちを連れ歩くメアリーの姿が何人もの人々に目撃されており、裸の死体を埋めている現場を見ていた隣人までいるのだ。事実、メアリーの庭からは一列に埋められた遺体が三体掘り返されていた。
 弁護士マシュー・ホープは彼女の英国時代の教え子、メリッサ・ラウンドズの依頼で弁護を引き受ける。メアリーが丹精込めた庭に生い茂る花々を見て、この女性が三人の少女を殺したとは信じられなかったからだった。
 だが、被告を取り巻く状況は困難を極めていた。ホープはあらゆる法廷テクニックを駆使し、絶対の不利を撥ねかえそうと試みるが・・・
 1992年発表のホープ弁護士もの第10作。このシリーズはリーガルに分類されてますが、たいがい起訴前にひっくり返されており、実際に法廷闘争が描かれるのは今回が初。なんとか踏ん張ろうとしますがいかんせん絶望的な状況で、主人公ホープは悪足掻きしてる感があります。
 そのせいもあってかボリュームは過去最大級。その割にラストは出来過ぎた展開で、ご都合主義というか唐突さは否めません。一応複線は張ってあるといっても、これに感心する人はいないだろうな。
 マクベインですからいつも通りリーダビリティーは高いですが、言ってしまえばそれだけ。事件本体よりも前作「三匹のねずみ」で登場した女性検事補、パトリシア・デミングとの恋愛模様の方がよく出来てました。これまでのところシリーズ最低クラス。10作目にして急速にランク落ちした気がします。


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