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ミステリの祭典

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hortensiaさんの登録情報
平均点:3.50点 書評数:2件

プロフィール| 書評

No.2 3点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2026/08/17 09:26登録)
なぜ殺したのかという動機と、過去の列車での数々のトリックと、社会派要素が特に絡まり合うこともなくただブツ切りで順番に出されるだけで、特に融合してるようには思えなかった。

死体消失や列車間移動はともかく、それ以外は偶然性が強すぎて「トリック=犯人の作為によるもの」とは言い難いような。
パクったトリックを再利用までしておいて金田一少年にキレるのは面の皮が厚すぎる。

社会派要素はトリックや動機と特に関わりがなく、過去の日本人の悪行をあげつらい「反省している自分たち」というポーズをとることで道徳的優位性を確認する感動ポルノでしかないように思える。
冤罪王と呼ばれた紅林麻雄がモデルであろう便山が、妻に逃げられ朽ちた荒れ家で酒浸りという戯画的な書かれ方をしている辺りもあからさまだ。
それら冤罪事件や刑務所でのいじめが「単に腹を立てて殺したのではない」という印象を抱かせるだけで終わってしまうのも残念。

前半生はともかく、後半生は結局のところ「復讐のために日本に残っていたら30年ほどドブに捨てる羽目になったけど、出所後たまたま相手が見つかったから刺しちゃった」でしかなくて、国に帰りたいのかと聞かれて泣く姿は滑稽でしかない。


No.1 4点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2026/08/17 06:53登録)
作者の想定解にはたどり着けたが、それをもって真犯人とするにはロジックが弱すぎると思った。自殺に偽装しているのだから、×××××が犯人だったとしても、利き手で開ける必然性がない。
「どちらかが殺したことさえわかれば充分」っていうのは「このロジックでは犯人は確定できない」という意味だったのだろう。絶対違うだろうが。

野心的な実験作ではあるが、作中で説明できない以上トリックはシンプルにならざるを得なかったり、最後の最後まで犯人を当てる上で重要な情報が全て出揃わない等、構造上に問題があるので3点。康正と加賀の様々な応酬は面白かったので1点加点。

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