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ミステリの祭典

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hortensiaさんの登録情報
平均点:5.00点 書評数:4件

プロフィール| 書評

No.4 8点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2026/08/18 11:45登録)
さあ怪しめとばかりに出される登場人物表と「右手を出したら左手を見よ」で犯人は分かってしまうのではないかと思ってしまった。

時代がかった大仰な言い回し(まさしく70年前の古典だが)や、いくらなんでも怪しすぎる行動を取る怪人物に目がくらむが、なるほどまさしく「人形はなぜ殺される」の一言に集約されるトリックが良かった。

神津シリーズはこれしか読んでない(なんなら高木彬光が本屋にあまり置かれてない)ので、神津の凄さがいまいちわからないのが難点といえば難点か。


No.3 5点 占星術殺人事件
島田荘司
(2026/08/18 11:06登録)
完全改訂版でいうと283ページから100ページ程度は、喫茶店の会計という名のヒント部分以外読む必要がないという大胆不敵な構成には驚かされた。明治村が観れたじゃないか、じゃあないんだよ。
「実は京都駅に着いた時点で挑戦状出せたんだけどぉ……」みたいなのもダサくて、後になってそんなん言うくらいなら「犯人分かったから京都行こうぜ」くらいのことを言わせたら良かった。石岡ウロウロパートという名のページ水増しパートも減らせて一石二鳥だ。良かったですね。

例の孫でトリックを知ってた口というのはあれど、平吉殺しの第一発見者と首のない死体が同じじゃあ何をするかは丸分かりなわけで。

総じて、新本格というジャンルを築き上げた過去の遺物として神棚に飾っておくような作品。


No.2 3点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2026/08/17 09:26登録)
なぜ殺したのかという動機と、過去の列車での数々のトリックと、社会派要素が特に絡まり合うこともなくただブツ切りで順番に出されるだけで、特に融合してるようには思えなかった。

死体消失や列車間移動はともかく、それ以外は偶然性が強すぎて「トリック=犯人の作為によるもの」とは言い難いような。
パクったトリックを再利用までしておいて金田一少年にキレるのは面の皮が厚すぎる。

社会派要素はトリックや動機と特に関わりがなく、過去の日本人の悪行をあげつらい「反省している自分たち」というポーズをとることで道徳的優位性を確認する感動ポルノでしかないように思える。
冤罪王と呼ばれた紅林麻雄がモデルであろう便山が、妻に逃げられ朽ちた荒れ家で酒浸りという戯画的な書かれ方をしている辺りもあからさまだ。
それら冤罪事件や刑務所でのいじめが「単に腹を立てて殺したのではない」という印象を抱かせるだけで終わってしまうのも残念。

前半生はともかく、後半生は結局のところ「復讐のために日本に残っていたら30年ほどドブに捨てる羽目になったけど、出所後たまたま相手が見つかったから刺しちゃった」でしかなくて、国に帰りたいのかと聞かれて泣く姿は滑稽でしかない。


No.1 4点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2026/08/17 06:53登録)
作者の想定解にはたどり着けたが、それをもって真犯人とするにはロジックが弱すぎると思った。自殺に偽装しているのだから、×××××が犯人だったとしても、利き手で開ける必然性がない。
「どちらかが殺したことさえわかれば充分」っていうのは「このロジックでは犯人は確定できない」という意味だったのだろう。絶対違うだろうが。

野心的な実験作ではあるが、作中で説明できない以上トリックはシンプルにならざるを得なかったり、最後の最後まで犯人を当てる上で重要な情報が全て出揃わない等、構造上に問題があるので3点。康正と加賀の様々な応酬は面白かったので1点加点。

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