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ミステリの祭典

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オムレツさんの登録情報
平均点:10.00点 書評数:3件

プロフィール| 書評

No.3 10点 山田錦の身代金
山本モロミ
(2020/10/16 16:38登録)
上級な本格ミステリーながら、謎解きが進むに連れて、酒造りに詳しくなる。日本酒入門書にもなっている佳作。
思わず唸る、ラストの見事などんでん返し。意外な犯人、密室殺人と完璧なアリバイ工作に、読者への挑戦もついた本格ミステリー。
で、ありながら。洗米、蒸米、麹作り、酒母造りに三段仕込みと、順を追って酒造りの工程が、丁寧に記されて、知らず知らずのうちに、酒造に詳しくなる。トリックよりも、面白い仕掛けだ。
非常に読みやすい文体で、主人公の酒食ジャーナリストの女性を初め、登場人物もとても魅力的。
巻末には、日本酒用語辞典、章間には、日本酒年表や、山田錦の解説も。要所要所に入る、イラストも可愛い。


No.2 10点 鷲は舞い降りた
ジャック・ヒギンズ
(2020/09/09 09:46登録)
史上最高の大ドンデン返し

人生最高の三冊のうちの一冊
無意味で、残酷な。
それだからこその、スゴイ驚き感!

プラハの駅の操車場から、イギリス沿岸のランズエンドまで
主人公のドイツ落下傘部隊員たちは、
ユダヤ人の少女をナチスから助け、潜入先の敵国の子供を、犠牲を払って助け、村人たちを解放する。
その果てに、敵味方を越えて、敬意を抱いた対決があった。

素晴らしい軍人像を描ききり、それに惚れ惚れしたものだけが味わえる、喪失感と、衝撃の一撃。


No.1 10点 占星術殺人事件
島田荘司
(2020/09/08 19:53登録)
疑似探偵体験を、心底味わった唯一のミステリー。

ミステリー人生三冊のうちの一冊。
探偵の気持ちを、リアルタイムで感じられた一冊。

京都哲学の小道で、おつりの偽札の話を聞いた御手洗潔。

そのくだりを読んだ瞬間、全てのパーツがカラカラと音を立てて、ぴったりと治まり、霧がかかっていた視界が、スッキリと!
うぉーっと、部屋の中を走り回って

「なんて、ぼくは馬鹿だったんだ」
御手洗潔と、全く同時に口から声が出た。

後にも先にも、こんな体験をさせてもらったのは、
占星術殺人事件だけ。

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