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ミステリの祭典

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通りすがりのものさんの登録情報
平均点:6.00点 書評数:3件

プロフィール| 書評

No.3 9点 エッジウェア卿の死
アガサ・クリスティー
(2017/03/26 18:41登録)
読んだのは随分前だけど、この作品はとても良かったという印象を持っている。
真相を見抜くことができず、真相説明を読んで、ああなるほどと感心したことを覚えている。
この作品は、「オリエント急行殺人事件」や「アクロイド殺害事件」のような大技はないけれど、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」作品で、謎解きの面白さを味わえる作品。平均点の高いクリスティーの真骨頂とも言うべき作品だと思う。
ここの書評を読んでいて気づいたのだが、私のクリスティー作品に対する評価は、クリスティ再読さんとは全く真逆。
クリスティ再読さんが凡作と言っている作品を私は高く評価しているし、クリスティ再読さんが傑作と言っている作品は低評価なのだ。


No.2 7点 ポアロのクリスマス
アガサ・クリスティー
(2017/03/26 11:29登録)
随分前に読んだ作品だが、クリスティ再読さんの疑問について、一言。
>そもそものどを切り裂かれて悲鳴が上がるものだろうか??
悲鳴を上げたのは、のどを切り裂かれる前だと考えれば矛盾はないはず。

この作品で一番印象に残っているのは、ここで使われているトリックがそもそも成立するだろうか、アレとアレを間違えたりするだろうかと疑問に感じたこと。また、その間違いを期待した犯人の計画自体が、ありえないだろうということ。
トリックを見破ったと書いている人がいるが、アレとアレを間違えると本当に思っているのだろうか。
騙しのテクニック、伏線の散りばめ方など、クリスティーらしい技巧が施されていて、決して悪い作品ではないと思う。


No.1 2点 葬儀を終えて
アガサ・クリスティー
(2017/03/25 19:01登録)
書評は絶賛の嵐だが・・・・・・。
クリスティーは数々の斬新なアイデアを発明しただけではなく、多作にも拘わらず、作品の平均点が非常に高い作家であることを高く評価している。
しかし、中には失敗作もある。
本作品はやりすぎのあまりに失敗、という典型的な作品。
この作品の真相は実に意外である。
それは、犯人がやらなくても良いこと、正常な思考力の持ち主であれば絶対にやらないであろうことを散々やった挙句の意外、ということに尽きる。
犯行動機と犯人がやったこととの乖離がひどすぎる。
たとえるなら、家に侵入したネズミを殺すために、家全体を爆破したような話だ。
この犯人が何のためにこんな犯罪を実施したのかを、高評価した人は理解したうえで評価しているのだろうか。
この犯行動機であれば、こんなに危険かつ面倒くさいことをしなくても、もっと簡単に解決する方法がある。
さらにひどいのは、ある事実に誰も気づかなかったという設定、そして、それをあてにした犯人の無謀すぎる計画。
発覚したら一発でアウト。まともな思考力の持ち主であれば、そんなことは絶対にしない。
ヘレンが不思議に思ったことに基づくポアロの推理もぱっとしない。
唯一優れているのは、犯人のある発言の矛盾を突いたポアロの指摘だけ。

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