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ミステリの祭典

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かわにゃんさんの登録情報
平均点:3.67点 書評数:3件

プロフィール| 書評

No.3 2点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
深水黎一郎
(2014/12/22 11:18登録)
「読者=犯人」というミステリ界最後の不可能トリック
という難しいテーマに果敢に挑んだ作者に敬意を表したいです。

でも評価できるのははっきり言ってその「心意気」のみ。
タイトルや帯に書かれたキャッチコピー、冒頭の手紙で上がりきったハードルを、
見事飛び越える、、、ことは出来なかったどころか、そのはるか下をくぐっていった感じです。汗

本を売るためとは言え、過剰なまでの「煽り」が、逆に裏目に出て、本作の評価をより下げてしまったかな。

また、その「究極のトリック」のイマイチさも然ることながら、主人公(?物語の語り手である作家さん)の発言にアンフェアと言えるところがあるのも、一層読み手をしらけさせるでしょう。


No.2 3点 悪意のクイーン
井上剛
(2014/12/09 12:07登録)
語彙力、文章力、登場人物の作り込み、
大変すばらしいものがあると思いました。
話の内容として大きな矛盾や疑問もなく、読後感も悪くはないです。

ただ、、、
オチがあまりにも見え見えで。
私は3章の頭には展開が読めてしまって、残りは作業的に読むことになりました。
伏線の張り方が圧倒的に下手というか、BLOWさんとまったく同意見で、ヒントがわかりやす過ぎる。
まぁ、そもそもよくある展開なので、もっと上手く書いたとしても、あのオチは想像できちゃうと思います。

もしかしたら奇数章と偶数章を入れ替えて(=2章の日記からスタート)構成したら、もう少し引っかかったかも。


No.1 6点 扉は閉ざされたまま
石持浅海
(2014/12/01 11:55登録)
文章力・構成がすばらしく、引き込まれるようにスイスイ読むことが出来ました。
私は文庫版を読みましたが、巻末にプロローグ?(犯人が殺人を決意する発端になったエピソード)が書き加えられているので、未読の方にもそちらをおすすめします。
また、犯人・探偵役の二人をはじめ、登場人物が大変魅力的で、よく作り込まれているな~と。
逆に、それだけにオチの部分での探偵役・優佳の言動に???となってしまったのが非常に残念。





以下、大いにネタバレ含みます。ご了承ください。
また、以下の疑問に御回答頂ける方、ぜひよろしくお願いします。





・この本を語る上で外せない「動機」について。
絶対に納得できない!というほどではないですが、「殺人の動機とは常人には理解しがたいもの」という分を差し引いても、やはり弱いかなと。
せめて何度も説得したけど被害者は聞き入れなかった、とかの描写があれば。


・犯行にまつわる疑問点
果たしてストッパーをする必要があったのでしょうか?
犯人最大の目的は死体発見の遅延。そして作中で犯行前に「合鍵はない」ということを犯人は知り得ています。
合鍵がない以上、ストッパーを掛けずしても「犯人が望んだ状況」は成立するわけで。いや、むしろそちらの方が「鍵を掛けたまま寝てしまった」というには圧倒的に自然な状況かと思うのですが。
あと、最初に被害者の部屋の灯りつけちゃってますが、被害者がもし「一度も照明のスイッチ触れていなかった」としたら、警察になんていうつもりだったんでしょうね。

・「対話」について
最大の?はこの部分。
いくら学生時代好きだった(今も?)人でも、犯罪者を隠匿してしまうのはいかがなものかと。
読んでいて、思わず「優佳ちゃん本気で言ってんの!?」とつっこんでしまいました。
この作品自体が殺人を容認してる(ばれなきゃOKと言っている)ように感じられて、非常に残念。続編ではお付き合いを始めていて、のうのうと暮らしているような描写ですし・・・。
冒頭にも書いたようにとても魅力的な二人だったのに、最後の最後で裏切られた気分でした。

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