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ミステリの祭典

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TON2さんの登録情報
平均点:5.65点 書評数:330件

プロフィール| 書評

No.10 9点 飢餓海峡
水上勉
(2012/11/04 02:52登録)
この作品を原作とした内田吐夢の同名映画が名作だというので、この本から読んでみました。読みごたえのある作品ですが、大変面白かった。
終戦直後の日本の混乱と庶民の貧しい生活がよく描かれています。純真で明るい娼婦、職務に忠実で退職後も事件を追いかける刑事、十分な矯正をしないままに出所した受刑者が大事件を起こしたことに責任を感じる刑務所の看守。
凶悪犯であるはずの犯人が悪人には思えません。むしろ、心の中には温かい血が流れながら、運命のいたずらに巻き込まれた弱い人間に思えます。


No.9 3点 義経幻殺録
井沢元彦
(2012/11/04 02:44登録)
清朝の祖が義経か?芥川龍之介が狂言回しの役をつとめます。


No.8 5点 汚名をそそげ
有明夏夫
(2012/11/04 02:42登録)
浪花の源蔵親方の話は、ユーモラスで活気にあふれ、大好きなシリーズです。


No.7 5点 脱獄囚を追え
有明夏夫
(2012/11/04 02:39登録)
明治初期の大阪の庶民の心意気と明るい雰囲気が感じられる作品です。


No.6 5点 蔵屋敷の怪事件
有明夏夫
(2012/11/04 02:37登録)
明治初頭の警察制度ができたばかりの時代が舞台です。江戸時代と同じように警察の警部が奉行所同心ともいうべき存在で、岡っ引きの浪花の源蔵親分と手先の安が活躍します。
出てくる登場人物の考え方が皆まっすぐで、読んでいて気持ちのいい作品です。


No.5 7点
F・W・クロフツ
(2012/11/04 02:31登録)
地味なストーリーだと思います。超人的な探偵が登場するわけではなく、地道な捜査の中で明らかになった事実から、アリバイ等の謎を解いていきます。
普通の人間の綿密な捜査だからこそ、次から次へと引き込まれていきます。
犯人の異常な凶悪さと最後の大立ち回りは、ストーリー全体から浮いているように思いました。


No.4 8点 鷲は舞い降りた
ジャック・ヒギンズ
(2012/11/04 02:27登録)
戦争冒険小説の傑作です。
ヒトラーの一言からドイツ軍精鋭部隊がイギリス本土に落下傘降下してチャーチルの誘拐を謀る。
イギリス本土へ渡り、作戦が失敗してアメリカコマンド部隊と戦闘を繰り広げる後半よりも、作戦決行のため着々と準備を進める前半が面白かった。
作者は狂ったドイツをも公平な目で見ていると感じました。


No.3 9点 刺青殺人事件
高木彬光
(2012/11/04 02:10登録)
 女の体に彫られた刺青の持つ妖しさが、推理小説として以上に官能を覚える作品です。
 密室の物理トリックを心理トリックの捨て石にするというのには、うならされました。
 途中で読者への挑戦状が出されているが、犯人と最初の死体の謎には思い至ったものの、完全には解くことができませんでした。


No.2 7点 成吉思汗の秘密
高木彬光
(2012/11/04 02:05登録)
(ネタバレ)
良質な歴史ミステリーのベッドディテクティブ。成吉思汗=義経という説を様々な文献などを元に証明しようとしている。疑りながらも本当化もしれないと思ってしまう。しかしラストは輪廻説に偏り、少々強引すぎるこじつけと思われる。ラストがもっとすっきりしていれば、+1なのだが。


No.1 8点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2012/11/04 01:56登録)
25年ぐらい前に子どものお守りをしながら時間を見つけてチョコチョコと読みました。かなり真剣に読み、犯人は誰かと考えましたが……最後の一撃にやられました。トリックを知っていて再読しても、十分に楽しめる作品です。「そして誰も……」「オリエント……」そしてこの作品と、こうしたトリックを考えたクリスティーは本当にすごい。

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