灰色の嵐 私立探偵スペンサー |
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作家 | ロバート・B・パーカー |
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出版日 | 2009年06月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | 臣 | |
(2024/10/18 11:16登録) スペンサーは金持ちの婦人からの依頼を受け、孤島で婦人の娘の結婚式に立ち会うことになる。しかしすぐに武装集団の襲来を受け、娘が連れ去られる。その集団の頭目はスペンサーと因縁深いライバル、ルーガーだった。 冒頭では銃がぶっ放され、多人数が殺されるのでアクションものかと思う一方、場所が孤島なので、本格推理モノなのかも、と想像を膨らます。 もちろん本格推理モノとは考えにくいが、冒頭以降の中盤の主たる流れがスペンサーの聞き込みなので、なんとなく刑事物風の様相を呈していき、さらに惹きこまれてゆく。 *** 以下、ややネタバレ風 *** 本シリーズはときどきつまみ食いする程度なので、ルーガーがどういった人物かをまったく知らない。終盤、ルーガーが突如として再登場し、真相をあきらかにするのには違和感を覚えるが、かつて登場していたシリーズ作品では、こんな真相をみずから明かすような(やわな)キャラクターだったのだろうか。読み始めで想像していた人物像とはかなり異なるので、そこにビックリ。ルーガーのかつての登場作品を読んでいなかったことを、ちょっと残念に思った。 とはいえ、ラストの真相はいちおうサプライズ。まずまずの出来栄えなのでは。 あれだけ殺しまくって、スペンサーによる結びがあれだけ、というのにもかなり違和感を覚えたが・・・ *** ネタバレ解除 *** 解説の堂場瞬一さんによれば、本シリーズで本書のような派手なアクションがあるのは珍しいようです。 本シリーズについてよく耳にするのは、スペンサー、スーザン、ホークの今風の洒落た会話を楽しむことができる軽ハードボイルドであるということらしいが、その辺りについては評者にとってそれほど興味はない。もっとも魅かれるのは、軽く読めるということです。 本書の場合、派手なアクションと、軽い謎解きとが加わったことで、いつも以上に楽しめたのかもしれません。映画を観ているような感じではありましたが。 |
No.1 | 7点 | あびびび | |
(2015/10/26 00:29登録) 2010年に亡くなったパーカー。ほとんど読みつくした感はあったが、毎年一冊文庫が出ているらしい?この本も2011年10月発行となっている。 スペンサー・シリーズは「水戸黄門」のようなもので、主役の探偵スペンサーに恋人のスーザン、そして黒人の殺し屋ホーク。そのほか、刑事、FBI捜査官、マフィアのボスと、登場人物はほぼ固定されている。 それだけに作品内容が酷似する場合があるが、ファンにとっては、それがまた魅力の一つである。ただ、今回の事件は垢抜けていた。スペンサーの仇敵と言える稀代の殺し屋グレー・マンが、全ページにわたって不気味さを漂わせていた。 このシリーズの一番の読みどころは、スペンサー、スーザン、ホークの3人の会話だが、訳者の方が本当にうまく言葉を並べていて、ハードボイルドの面白さを満喫させてもらっている。 |