home

ミステリの祭典

login
螺旋状の垂訓

作家 森村誠一
出版日1984年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/06/19 23:37登録)
(ネタバレなしです) 1984年発表の本格派推理小説です。興味深いのは作者のあとがきの中で「本格推理」の森村流解釈が紹介されていることです。そして「読者と探偵との知的競争に自分も参加して作者と知恵比べができる」ことを推理小説の人気の理由に挙げています。では本書でそれはどこまで実践されているのでしょうか?クロフツのフレンチ警部シリーズや鮎川哲也の鬼貫警部シリーズと同様、推理と裏づけ捜査が丁寧に描写され、推理が破綻すればまた新たな推理と裏づけが繰り返されます。しかしこのプロットでは読者は刑事たちの模範解答的推理を後追いするので手一杯で自分で推理する余地がほとんどなく、「参加」した気分を味わえないと思います。作者は自身のことを「本格派のつもりなのだが社会派というレッテルをよく貼られる」と嘆いていますが、本格派好きの読者にどう推理に「参加」させるかの工夫がもっと必要ではないでしょうか。

No.1 6点 斎藤警部
(2015/10/24 23:59登録)
確かに意外な犯人像。 犯人とは何か? なんて考えちゃう人は考えちゃうかも?? いやそれは見当違いかな? だけど意外な犯人の割に犯人が分かった所でちょっと「ああ、そうでしたか」ってな具合におとなしく納得しちゃうかも?? どちらかと言うと結末以前が読んでて面白いね。しかし題名が濃い。

2レコード表示中です 書評