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ミステリの祭典

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雪の墓標

作家 マーガレット・ミラー
出版日2015年10月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 蟷螂の斧
(2016/04/11 09:46登録)
主人公の弁護士の行動は、事件の真相を暴こうとしているのかどうか疑問を持ってしまいます。そこが謎でした(笑)。容疑者を弁護しようとすると、犯人と名乗る男が現れてしまうので、展開上やむを得ないか?。結末からすれば、ミステリーというよりも様々な愛の形を描いた作品ということになるのかもしれません。残念ながらラストは伏線が弱ので、ミニ・サプライズに終わってしまいました。

No.1 7点 kanamori
(2016/01/20 18:26登録)
不倫相手の男を殺害したとして医師の妻ヴァージニアが逮捕される。当時彼女は記憶をなくすほどの泥酔状態で、事実関係が把握できない状況下、ヴァージニアの母親に雇われた弁護士ミーチャムのもとに、自分が犯人だという男が名乗り出てくる--------。

”東京創元社によるハヤカワ文庫補完計画”w の一環として昨年に新訳復刊された「まるで天使のような」の話題に隠れて、それほど評判に上がらなかった印象があるのですが、論創社から出た本書も良作です。
逮捕されたヴァージニアの弁護のため、現地の空港におりたった母親と付き添いの娘、そして弁護士のミーチャム。 三人の会話のやり取りだけで、キャラクターや設定、状況を読者に知らしめる冒頭のシーンから物語に引き込まれ、巧いです。どこか「まる天」の私立探偵に似たところもある弁護士ミーチャムが、たどり着いた真相には胸に迫るものがありますが、クリスマスを背景にした物語だけあって、”もう一つの愛”で終わる結末で読後感は悪くはないです。
ニューロチック・スリラーと呼ばれた「鉄の門」「狙った獣」などの暗い異常心理サスペンスは苦手。かといって「ミランダ殺し」のようなコメディ・タッチの軽いものは物足りない、という読者には、(ちょうど、その中間にあたるような作風の)謎解きプロットにヒネリがあり、ある程度のサプライズも味わえる本書や「まる天」をお薦めします。

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