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ミステリの祭典

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断崖

作家 スタンリイ・エリン
出版日1958年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2025/03/15 14:25登録)
エリンの長編第1作は、父親を辱めた男を殺そうと決意した16歳の少年ジョージの一人称形式物語です。ポケミスで約140ページ(文庫本なら200ページ弱)の短い作品ですが、作中の経過時間も短く、たった一晩の出来事です。
実際の断崖(『ゼロの焦点』ラストのような)が出て来るわけではありません。原題は "Dreadful Summit"、冒頭に『ハムレット』のホレーショーの「(わが君を)恐ろしき断崖の絶頂にみちびこうとして…」というセリフが引用されています。
話の転がっていき方は、ほとんどコメディと言ってもいいくらいのとんでもなさなのですが、ジョージの必死な思いが、作品をシリアスな雰囲気にとどめています。彼が特に背が高いこと、また彼の父親が酒場の経営者であることが、重要な意味を持っている点も、うまく考えられています。そして訪れる衝撃的な結末…これはさすがエリンという感じでした。

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