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ミステリの祭典

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サタデー・ゲーム

作家 ブラウン・メッグズ
出版日1977年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/05/08 16:18登録)
「本格派の新しい衝撃!」というのが、ポケミスの帯の宣伝文句だったのですが、これは非常に疑問です。
全体の構成と文章は、登場人物たちの意識の流れを、各人の立場から細かく分けて追っていったもので、正直なところ、読んでいて本格派どころかミステリという感じさえあまりしないのです。「四月のある土曜日午前八時前」から始まり、ラストはその日の夜、ほんの半日間の出来事です。その中で登場人物たちが過去を振り返ったりもしていくのですが、それもほとんどは前日の夜から早朝までのことです。
テニスをしていた4人が警察の事情聴取で深夜のパーティの顛末を語った段階で、結末がどうなるかは見当がつきましたが、真相の証拠とその提示は実にあっけないもので、これでは「謎解き」になりません。一応最初の方に伏線は張ってあるのですが。奇妙な雰囲気を楽しむ心理小説だと考えた方がいいでしょう。

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