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ミステリの祭典

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眠れない聖夜
ドロシー・マーティンシリーズ

作家 ジーン・M・ダムズ
出版日1997年12月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 ◇・・
(2024/09/19 19:57登録)
夫の生前より二人で憧れてきたイギリスのシャーベリーの村に一人ドロシーは移り住む。よそ者の悲哀でクリスマスイヴに誰からも誘ってもらえず、一人で大聖堂の礼拝にのぞむが、帰り際に真っ暗な翼廊で、聖堂参事会員のビリングスの死体につまづいてしまう。恐ろしさ半分、だが夫の死からの再生のため、そして持ち前の反骨心でドロシーは殺人事件の解決に乗り出す。容疑者とされた若者を直観で、「真犯人じゃない」とするなど、だてに年をとっていないと変に感心させられたり、ナイト志願の警察署長との先の楽しみもある。だが、狭い田舎町の内情が、どろどろとした人間関係でいっぱいなのも定石通りで、誰もそこそこ見当ついてしまい、新味がないまま事件終結は残念だ。

No.1 5点 nukkam
(2015/09/06 01:00登録)
(ネタバレなしです) 全世界での出版総数が聖書に次ぐとも言われる、偉大なるアガサ・クリスティーの存在は不滅といっても過言ではなく、今でも本格派系の女性推理小説家がデビューするたびにクリスティーと比較されてしまっています。比較される側の反応も様々で、P・D・ジェイムズやルース・レンデルのように比較されるのを露骨に嫌って独自の作風に走る作家もいれば、このダムズ(1941年生まれ)のように明らかにクリスティーのスタイルを目指した作品を書いている作家もいます。1995年に発表されたドロシー・マーティンシリ ーズの第1作である本書は、物語の中でもクリスティー作品からの引用が散りばめられていてクリスティーファンなら思わずニヤリとするかも。ただ謎解き小説としての魅力では(少なくとも本書は)クリスティー作品には遠く及びません。どちらかと言えばホワイダニットの要素の強い作品ですがちょっとこの動機は一般読者に馴染みにくいし、動機以外の手掛かりがほとんどないのは謎解き好きの読者には物足りないでしょう。ちなみに舞台は英国にしていますがダムズ自身は米国の女性作家です。

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