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ミステリの祭典

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裁かれる花園

作家 ジョセフィン・テイ
出版日2005年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/10/11 21:08登録)
前作『ロウソクのために一シリングを』の8年後、1946年発表です。世界が戦争に突入していった時代には、この作家、長編小説を全く発表していなかったんですね。本作は戦争の影など全く感じさせません。それまでの(次作『フランチャイズ事件』でも脇役で登場する)グラント警部は出てきませんし、そのことを宣言するかのごとき原題(”Miss Pym Disposes”)です。
心理学の本がベストセラーになったミス・ピムが、旧友が学長を務める女子体育大学で講演を行うことになり、そこである事件が起こるという話。日本の法律では、殺人罪は適用できそうにない事件です。
これは最後の4ページが衝撃を与える作品です。それまでは小説としてはおもしろくても、ミステリとしては誉められるべきところがありません。そもそも、事件の原因となった学長の行為に納得のいく理由が最後までつけられていません。しかしこのラストには何とも言えない気分にさせられます。

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