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ミステリの祭典

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ブロの二重の死
フレデリック・ブロシリーズ

作家 クロード・アヴリーヌ
出版日1983年06月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 斎藤警部
(2015/08/26 11:38登録)
高校の頃、初めて聞く名前でしたが、いわくありげな惹句に釣られて手にしたものです。 ブロ氏なる敏腕刑事が自宅にて銃撃による瀕死の状態で発見されます。 ところが、そのすぐ隣にどう見ても同一人物、もう一人のブロ刑事が。。 という魅力的な謎を解き明かす物語ですが。。 どうも結末が、びっくりさせてくれないという肩透かし。 ですがお話の途上はそれなりに面白かった記憶があります。だからこその肩透かし。

この衝撃の死後デビューで人気を博してしまったブロ刑事は、続いて書かれたブロ・シリーズで生前の活躍を見せてくれる事になったという次第。 nukkamさんも書かれていらっしゃる「U路線の定期乗客」を読んでみたい気がします。何しろそこそこ安く売ってる創元推理文庫の古本(ちょっとプレミア付き)を近所で見つけたもので。まだ売れてなければ。。

No.1 5点 nukkam
(2015/08/16 21:44登録)
(ネタバレなしです) フランスの文学者であるクロード・アヴリーヌ(1901-1992)はミステリー作家としてはフレデリック・ブロシリーズの本格派推理小説を全部で5作品残しました。但し最初からシリーズ化を意識してはいたかは疑問です。なぜなら1932年発表のシリーズ第1作である本書はブロが謎解きに挑戦するプロットではなく、ブロ自身の謎をシモン・リヴィエールが調べていくという、シリーズ作品としては極めて異色の作品だからです。後にアヴリーヌはシリーズ作品として最初に読むべきは3作目の「U路線の定期乗客」(1947年)で、本書は最後に読むべき作品と位置づけています。現場見取り図が4つも用意されていて謎解きの雰囲気はそれなりに濃厚ですが、読者が推理するだけの手掛かりが十分に用意されているとは言えず、最後は犯人の自白頼りになっています。登場人物が少なく、ページ数も(創元推理文庫版で)300ページに満たない短さなのでとても読みやすい作品です。

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