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ミステリの祭典

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分離の時間

作家 松本清張
出版日1969年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点
(2017/11/08 18:27登録)
「黒の図説」シリーズ第1・2作として週刊誌に発表された作品を収録していますが、本では順番を逆にしています。ただし『黒の画集』みたいな短編集ではないので、シリーズとする必要もないと思うのですが。
表題作は量的に『点と線』と大して変わらない短い長編。松本清張らしい、民間人が偶然に遭遇したことから疑惑を感じて、殺人事件の調査をすることになる、という展開です。友人の雑誌記者の方が結局名探偵役を果たすことになるのも、作者らしいところ。政治家と企業トップとの癒着糾弾よりもむしろ同性愛をテーマにしているのは清張としては珍しいでしょうが、全体的にはまあ無難にまとめたという感じでした。
中編『速力の告発』は速力に対する告発の意味で、自動車産業の無責任さに対する、斎藤警部さんも書かれているようにまさにストレートな批判ですが、最後に突然ミステリになるところは落差がありすぎと思えました。

No.1 7点 斎藤警部
(2015/07/03 00:12登録)
タクシー運転手からふと耳にした噂が気になった、一般人の主人公。
何人もの男色家が登場し、権力界のギヴ&テイクと絡み合う。 当然そこには殺人も。。。
毎度の事ながら擦り減ることを知らないサスペンス。流石です。

併載「速力の告発」はミステリーとちょっと違う様相を見せる。 森村誠一を思わすストレートな物言いの演説っぷりは貴重。

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