home

ミステリの祭典

login
夜明け遠き街よ

作家 高城高
出版日2012年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/03/16 23:15登録)
2012年に出版された本作は、1980年代後半のいわゆるバブル期の札幌ススキノを舞台とした7編を集めた連作短編集です。共通する主役はキャバレーの「サブマネ」(副支配人)黒頭(くろず)裕輔、キャバレー等のスタッフを意味する「黒服」という言葉が使われています。
読む前から予測はしていたのですが、当時の華やかな夜の世界、ヤクザや政治家への賄賂なども出てくる話が集められていて、黒頭が問題解決にあたることが多いとは言え、明確にミステリと呼べる作品は多くありません。『フィリピン・パブの女』、『夜明け遠き街』の2編が、まあ一応謎や捜査が中心になっているかなというぐらいです。他に、『赤ヘネと札束の日々』にも犯罪は絡んできますが、それが中心でもありません。そのラストの電話、「笑い声が途中で切れた。」の1文で終わるところ等、やはりハードボイルドらしい感覚ですが。

1レコード表示中です 書評