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ミステリの祭典

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松谷警部と三ノ輪の鏡
松谷警部シリーズ

作家 平石貴樹
出版日2015年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 まさむね
(2016/01/16 23:00登録)
 松谷警部シリーズ第3弾。
 白石イアイ巡査部長(昇進したのですね)による、伏線を丁寧に回収していく解明シーンが読みどころ。真相にも、(現実味は別として)意外性があります。
 一方で、どうしても警察の捜査過程をひたすら読みこむ…という時間帯が長くなり、特に中盤、読み進めるモチベーションの維持に苦労したことも事実。
 堅実かつ高精度の作品であることは確かで、さらに読者を引っ張る吸引力を求めるのは、欲張り過ぎなのかもしれませんが。

No.1 6点 kanamori
(2015/07/12 14:58登録)
元プロゴルファー横手が撲殺された事件を担当する松谷警部の捜査班は、ゴルフ場経営や融資に携わる周辺人物の相次ぐ変死が事件に関連するとみて、失踪した経理部長の行方を追う。巡査部長に昇進した白石似愛は、殺害現場の些細な疑問点から推理を巡らすが--------。

松谷警部&白石巡査シリーズの第3弾。
初期作の純粋パズラー「だれポオ」の頃と比べると、主人公が刑事ということもあって、本格ミステリというより物語の大半が捜査小説といっていいシリーズですが、本書ではますますその様相が強まっているように思います。そのぶん登場人物が容疑者から端役にいたるまでキャラが立っていて、特に今作では所轄の三ノ輪署の新米巡査がいい味を出しています。
とはいっても、最終章の直前で、白石イアイが伏線や手掛かりをひとつひとつ取り上げて繰り出す推理の開陳シーンは読み応え有り、作者の本格ミステリに対するこだわりを感じさせてくれます。

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