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ミステリの祭典

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臓器賭博

作家 両角長彦
出版日2015年03月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 3点 虫暮部
(2018/12/25 10:24登録)
 ギャンブルは運否天賦と言う側面が大きなキモであるが、フィクションの場合は結局作者の都合で勝負が進むんだよな~、なんて思ってしまう時点で私にギャンブル小説は向いていない、と今更気付いた。勿論それだけでは終わらない仕込みが為されてはいるが、さほど面白いトリックでもない。

No.1 7点 メルカトル
(2015/05/14 22:14登録)
ギャンブラー心に火を付ける(ギャンブラーじゃないけど)、本格ギャンブル小説。
主人公の古賀は普段はバーの雇われマスターだが、本来は生粋のギャンブラーである。物語は、彼がある大会社の御曹司が地下賭場で大金と臓器のいくつかをかたに取られており、その代打ちを依頼されるところから始まる。相手は4人で、勝負はポーカーの一手替え。古賀は果たして取られた臓器を取り戻すことができるのか、そして依頼通り5000万を手に入れられるのか・・・
できうる限り余分な描写をカットし、必要最低限の文章で仕上げられた、娯楽作品。だがそれだけではなく、サスペンスの要素や各登場人物の裏事情、日本の不安定な将来への展望などを盛り込んでおり、単に博打の実況のみが描かれているわけではない。
重い内容の割には、淡々とした文章で綴られていて、余計なストレスや重圧感を感じることはない。それでも、臨場感に溢れているので、最後までのめり込めるし楽しめること請け合いである。
ただ、1ページ目は衝撃的ではあるが、あまりに杜撰なやり口は臓器賭場とそぐわないのが気になる。それと、種目がポーカーなので、勝負が一瞬で決まってしまうため、ひりついた感じが薄いのは若干残念な点ではある。

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