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ミステリの祭典

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シャーロック・ノート
学園裁判と密室の謎

作家 円居挽
出版日2015年03月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 3点 E-BANKER
(2017/07/09 19:41登録)
『剣峰成(つるみねなる)』と『太刀持(たちもち)からん』。そしてなぜか鬼貫警部・・・
新潮文庫NEXレーベルから2015年の発表。

①「学園裁判と名探偵」=恐らくシリーズ化されるであろう前提に立ったうえでの「導入部」的な位置付け。なのだが、いきなり訳の分からない世界観に戸惑うわたし・・・。なんだこの「星覧仕合」って?? ルールがよく呑み込めないままお話は進む・・・
②「暗号と名探偵」=剣峰成の秘められた過去に迫る第二編なのだが、ここでなぜか鬼貫教官(なぜ教官なのかは説明が長くなるから割愛)と丹那刑事のコンビが登場する。数多い名探偵のなかで、なぜこの二人?と思わざるを得ない。
③「密室と名探偵」=鬼貫&剣峰VS爆弾魔・降矢木残月(ふるやぎざんげつ)の闘い或いは知恵比べが描かれる第三編。密室とわざわざ銘打つほどのトリックなどはないので悪しからず・・・。結局、最後まで何が言いたかったのかよく理解できず一応完結。

以上3編。
一応連作形式になってるけど、特段最後にオチが用意されているわけではない。
このレーベルだし、ある程度ラノベ的っていうか、前衛的な作品なのかなーとは考えていた。
けどなぁー
こりゃ、理解不能だな。
すでに続編も出てるし、もう少し付き合うべきかもしれないけど、もういいなぁ・・・。

作者は言わずと知れた京大推理研出身のサラブレッド。
『・・・ルヴォワール』シリーズが未読なんだけど、果たしてどうなのか?
あまり先入観は持たずに手に取ることにするか・・・
本作はダメ。特に古いファンの方はスルーでOK。

No.1 5点 名探偵ジャパン
(2015/06/19 15:51登録)
難読名字とキラキラネームの高校生たちが、推理合戦を繰り広げる第一章。主人公の過去に迫る第二章。主人公と爆弾魔との戦いを描く第三章。の三部構成。
三人称でありながら、特定の個人の心理描写のみ描かれる書き方は最近の流行りなのだろう。(一人称と三人称の間? 二人称というとまた意味が違ってくるが)未だに気になってしまうが、凄いのは第二章。
作中のキャラが他人から過去の話を聞く、伝聞として始まるのだが、その中でキャラクターの内面描写が書かれる。
「お前はどうしてそんなことまで知ってるんだよ!」と、突っ込んでしまいたくなるが、これは恐らく、伝聞が始まったと同時に過去に作中の視点が飛ぶという、ドラマやアニメではお馴染みの演出のつもりで書かれているのだろう。
見ただけでそうと認識できる映像作品と違い、文章しかない小説でそれをやられると分かりにくいよ。
「ラノベじゃない!」でお馴染みの新潮社NEXレーベルだけれど、まあ、ラノベだよね。

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