home

ミステリの祭典

login
暗闇の鬼ごっこ
ダンカン・マクレーン

作家 ベイナード・ケンドリック
出版日2015年04月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 kanamori
(2015/05/15 22:22登録)
元夫のブレイクから閉鎖された信託基金ビルに呼び出されたジュリアは、最上階まで吹き抜けになっている8階からブレイクが墜落死するのを目撃する。8階にいた息子のセスに容疑がかかるが、さらに不可解な墜落死が連続して発生する---------。

盲目の私立探偵ダンカン・マクレーン登場のシリーズ第4作。
不可能状況下の連続墜死事件という本格ミステリ要素を中核の謎にして、それに6年前の同じビルで発生した射殺事件の真相が絡むという通俗スリラーになっています。
盲導犬と警察犬の2匹を連れて行動するマクレーンはなかなか魅力的なキャラクターとして描かれていてますが、相棒のスパッドとその妻でマクレーンの秘書レナ、ニューヨーク市警の警視と巡査部長など、レギュラー・キャラを万遍なく登場させながら役割は大したことなく、シリーズものの悪い面が出ているように感じました。
また、現場状況やクライマックスの活劇シーンが読んでいてスッと頭に入りずらく、トリックの説明も何となく想像できる程度の書き様なのでモヤモヤ感が残りました。真相説明の場面で、マクレーンが「殺害方法については、もう語る必要がありませんね?今日の朝刊に図解が山と掲載されてますから」と話していますが、その図解を本書に載せてほしかったですねw

No.1 5点 nukkam
(2015/04/11 23:15登録)
(ネタバレなしです) 米国のベイナード・ケンドリック(1894-1977)は1945年にアメリカ探偵作家クラブ(MWA)の創立に携わり初代会長に就任した大物で、ミステリー作家としては12作の長編といくつかの短編で活躍する盲人探偵ダンカン・マクレーンシリーズで知られています。本書は1943年発表のシリーズ第4作の本格派推理小説です。連続転落死の謎が魅力的ですが現場状況やトリックの説明描写が粗く、マクレーンの推理が鋭いというよりも警察の捜査がいい加減過ぎではの疑問が拭えません(あのトリックは痕跡をかなり残すでしょう)。終盤でのマクレーンと犯人の対決場面が非常にサスペンスに富んでいます。謎解きとは直接関係ありませんが最後の一行にはびっくりしました。

2レコード表示中です 書評