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ミステリの祭典

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死が二人を別つまで
名作選8

作家 鮎川哲也
出版日1978年10月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 斎藤警部
(2023/02/08 23:58登録)
昭和四十年頃の十短篇。角川文庫。

汚点
小味な偽装アリバイ崩し。まさかの◯◯ネタで雪崩れ込む真相暴露は憎めない。表題「汚点」の物理的意味合いが興味を誘う。舞台が某地方都市なのはそういったわけか。。

蹉跌
某ホームズ譚を思わす奇想背景から脅迫者の殺害へ。随分とギャフンな瑕疵(これは仕方ない..)からアリバイが崩れるが、スズメ焼きの香りが手伝ってか妙にコージーなスリルがある。

霧笛
東京へ戻る客船での連続殺人/傷害事件。容疑者の一人が書いた素人推理小説の筋書通りに事件が起きる。凝った割には何処か地味な趣向と、何気に意外な真犯人。豊富な容疑者構成を含むその枠組み故に割と分厚いミステリを期待させられるが。。


表題のカラスに纏わる雑談に挟まれた犯罪小噺。事件発生までの筋運びに奇想あり。

Nホテル・六◯六号室
ミステリ作家、鯉川哲也先生の作中作という作りを隠れ蓑に、弱過ぎるアリバイトリックをゴリ押し発表したよな小品。ドサクサついでの?後出し無理矢理設定は笑った。

伝説の漁村・雲見奇談
穏やかな旅情の果てに、虚をつく巨大物理トリックへの予感。。果たしてその結末は。。 

プラスチックの塔
手掛かりの意外な展開と、犯人の機転。殺人の動機となった別箇の犯罪も上手に絡ませ、良い意味で手堅い一品。

死が二人を別つまで
表題作は流石の貫禄。他の作には見出せぬ、硬質なストーリーと逆説孕んだ分厚い反転が魅力です。老人ホームでの結婚式に始まる、或る強欲殺人の疑惑。登場人物群の有機的配置も頼もしい。タイトルは泣けますね。

晴れのち雨天
陳腐なネタは使い回し?もいいとこ。そこへわざわざ因縁ドラマを被せて来た。軽い隠喩の方を表に出したタイトルに、通例とは異なるダブルミーニングの妙味が無くはない。

赤い靴下
殺人動機に捻りあり。後出しと捩じ込みの証拠出しは無理があるが、興味は引く。◯◯◯ガスって。。本作、ミステリの大オチより前段階で中オチの様な事実が明かされるけど、ドラマとしては中オチの方がずんと重い。タイトルのへの想いが暖かくクローズアップされるエンディングは、果たして救いとなるのか。。

No.1 5点 ボナンザ
(2015/03/10 19:44登録)
角川文庫の名作選の一つ。
汚点、蹉跌、霧笛、鴉、Nホテル606号室、伝説の漁村雲見奇談、プラスチックの塔、死が二人を別つまで、晴れのち雨天、赤い靴下の10作を収録。
トリックの自在な使い分けが見事。

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