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ミステリの祭典

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絶望的 寄生クラブ
綾鹿市シリーズ

作家 鳥飼否宇
出版日2015年02月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 take5
(2018/10/19 17:11登録)
◯◯的の中では、可もなく不可もなくの作品です。
筆者が言う通りバカミスで下品です。
しかし最終章は小説の叙述的な可能性が
見られ(斬新さは無いですが)ます。

No.1 6点 kanamori
(2015/03/19 18:37登録)
綾鹿市にある大学の准教授・増田米尊は、最近だれかに監視されている気配を感じていたが、ある日パソコンに保存していた研究発表用資料が、変な短編小説にすり替わっていることに気付く。研究室の5人の学生のだれかの仕業とふんだ増田は、犯人探しに乗り出すが--------。

変態フィールドワーカー・増田准教授を主人公とするバカミス・シリーズの最新作(で、最終作?)。
作中作というか、入れ子構成で挿入されている4つの”読者への挑戦”付き短編小説が、(それぞれのジャンルは異なるものの)いずれもバカミス要素が濃厚で楽しめる。
最初の「処女作」は、処女受胎を巡るフー&ハウダニット・パズラー。処女を一種の密室に見立て、ノックスの十戒をネタにしながら、最後に”意外な犯人”が現れる。犯罪小説風の「問題作」は、監禁立て篭もり事件を起こした男を巡る”ホワイダニット”で、歪んだ動機が異様な印象を残す作品。官能小説風の「出世作」は、登場人物の男の名前を当てるクイズのような趣向の作品だが、仕掛けの原理は、昨年読んだ某作に通じるところがあるような。最後の「失敗作」も、仕掛けの部分が某バカミス大家のアイデアとカブるが、外枠の物語につながるメタな展開が面白い。
ちなみに、今作も副題はチェスタトンですが、内容のほうは「奇商クラブ」と全く関連はありませんw

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