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ミステリの祭典

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ブラジルから来た少年

作家 アイラ・レヴィン
出版日1976年01月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2016/05/10 12:13登録)
アイデアはいいと思います。ただし、謎や題名の意味が中盤で判ってしまい、もったいなかったですね。もっと引っ張れば、もっと楽しめたのに・・・。裏に流れるテーマは「ローズマリーの赤ちゃん」と同じなのかも。○○の赤ちゃんと本作の少年たち。

No.1 7点 tider-tiger
(2015/02/04 20:58登録)
アイラ・レヴィンといえばミステリファンにはまずは「死の接吻」だと思いますが、これもなかなかの快作です。「死の接吻」や「ローズマリーの赤ちゃん」に比べると描写が簡潔で話の展開が早い。個人的にはもう少し書きこんで欲しいのですが、これは必ずしも悪いことではないと思います。
物語は南米に住むナチスの残党が会合を開くところから始まります。悪魔の医師メンゲレがこの席上で94人の男を決められた日時に殺害するよう集まったメンバーたちに命じます。標的となる男たちはいずれも公務員で年齢は65歳前後。
この情報を偶然入手した老ユダヤ人のリーマスは意味不明な殺害計画だけに半信半疑ではありましたが調査に乗り出します。
94人の男たちはなぜ殺されるのか? メンゲレの目的はなんなのか?
かなり無理のある計画であり、そううまくいくものかと感じる方も多いかと思いますが、個人的にはギリギリセーフとしたい。そして、荒唐無稽ギリギリで踏みとどまっているような小説は美味しい。
ただ、悪魔の医師メンゲレの終盤での行動はさすがに違和感がありました。いい年してフットワークが軽すぎるというか、他に手はなかったのか。あったろうけど、作者としてはメンゲレを動かしてクライマックスを盛り上げたかったのでせう。
ちなみに本作の原題はThe boys from brazil

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