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ミステリの祭典

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木蓮荘綺譚 伊集院大介の不思議な旅
伊集院大介シリーズ

作家 栗本薫
出版日2008年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2017/03/19 22:33登録)
(ネタバレなしです) 栗本薫(1953-2009)が2008年に発表した「伊集院大介の不思議な旅」という副題を持つ伊集院大介シリーズ第25作でシリーズ最終作となった本格派推理小説です。「旅」といっても近所を散歩している大介が木蓮の花咲く古い家に興味を抱き、そこの住人である老婦人と知り合いとなるプロットで一般的なトラベル・ミステリーとは異なります。過去に起きた1件の幼児殺害事件と2件の幼児失踪事件の影がちらつくところがかろうじてミステリーらしさを醸し出していますが、老婦人のとりとめもない長話を聞かされる大介という場面が非常に多くてそこが冗長に感じる読者も少なくないと思います。その長話を謎解き真相と関連づけているのは巧妙と言えなくもないですけど。余談になりますが私の読んだ講談社文庫版の巻末解説でシリーズ作品リストを付けているのはとても親切だと思いますがなぜかシリーズ第4作の「猫目石」(1984年)が脱けていました。

No.1 7点 初老人
(2015/01/04 01:37登録)
伊集院大介シリーズ事実上最後の長編作品。
あるうららかな春の日の午後、伊集院は住宅街の散策を楽しんでいた。
そんな時、あるちょっとしたきっかけが元で品の良い老婦人とそのお手伝いと知り合う。
この瀟洒な住宅街では3件の幼児失踪、殺害事件が未解決のままであり、人びとの心に暗い影を落としていた。
トリックというよりは誰にでもある心の闇、静かで穏やかな世界観を描き出す事に成功しており、シリーズの最後を飾るのに相応しい静謐感漂う作品に仕上がっている。

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