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ミステリの祭典

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泥棒は深夜に徘徊する
泥棒バーニィ

作家 ローレンス・ブロック
出版日2007年07月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点
(2019/11/05 11:23登録)
 古書店主にして熟練の泥棒バーニイ・ローデンバーは、旧知の実業家マーティン・ギルマーティンから仕事の依頼を受けた。彼から愛人マリソルを寝取った美容整形医クランドール・メイプスに大打撃をこうむらせて欲しいのだと言う。マーティンはメイプス邸で募金パーティーが行われた際、傾いた絵の裏側にたまたま壁金庫を見つけていたのだ。
 依頼を受けたバーニイは下見の為リヴァーデイルに赴くが、問題の屋敷は予想以上の難物だった。彼はひとまず退散するが、衝動に駆られ別口の仕事をしようと深夜の通りを徘徊する。目をつけた褐色砂岩のアパートの一室に首尾良く侵入したバーニイだったが、仕事中に運悪く階段を上がってくる足音を聞きつけベッドの下にもぐり込む。だが部屋の住人バーバラ・クリーリーは昏睡レイプ犯に連れられて自宅に戻ってきたのだった。
 散々な成り行きの翌日、ランチを食べながら事の顛末を相棒キャロリン・カイザーに語るバーニイ。だがその場に腐れ縁の刑事レイ・カーシュマンが踏み込んでくる。実は偶然バーバラ宅近辺で別件の強盗殺人が発生しており、街角の防犯カメラにはタイムリーに夜の街を歩きまわるバーニイの姿が映っていたのだった。殺人容疑を掛けられたバーニイは自らの嫌疑を晴らすため、強盗事件の真相を突き止めようとするが・・・
 『泥棒はライ麦畑で追いかける』に続くローレンス・ブロックの泥棒シリーズ第十作。2004年発表。しょっぱなから細かな偶然が続きますが、この後バーニイのアパートが問題の強盗犯に荒らされ、古書店に現れた客が路上で射殺されて本を奪われ、その本がまたメイプス邸の壁金庫から出てくるという目まぐるしい展開で混乱は頂点に達します。
 ラトヴィアの戦争犯罪者とかも絡んできて複雑ではあるんですが、魅力的な謎に見合った真相ではないですね。ニューヨーカーらしい小粋な会話は良いんですけど、最終作一歩手前なせいかメイプス邸攻略の手口以外トータルだとあまり冴えません。バーニイというキャラクターに馴染んでいればまた違うのかもしれませんが。まあもう少しシリーズを読んでみようかと思います。点数は6点未満の5.5点。

No.1 6点 あびびび
(2014/11/06 13:13登録)
作者が楽しんで書いているのが良く分かる。主人公の泥棒、バーニィが、ストレス解消のために入った部屋は女性弁護士の一人住まいだったが、不覚にもその女性が男を連れて帰宅。とっさの判断でベッドの下にもぐりこんだが、その女性はバーで酒に麻薬を入れられ、ノックアウトの状態だった…。

それからいろいろ不可解な事件が続くが、最後に全関係者20数人を一堂に集め、エルキュールポアロのごとく事件を推理する。バーニィーが凄すぎる!

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