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ミステリの祭典

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姫君よ、殺戮の海を渡れ

作家 浦賀和宏
出版日2014年10月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 メルカトル
(2019/01/31 22:29登録)
敦士は、糖尿病の妹・理奈が群馬県の川で見たイルカを探すため、彼女と友人とともに現地へ向かう。当初イルカの存在を信じていなかった敦士だが、町の人々の不審な様子により、隠された秘密があることに気が付く。やがて彼らが辿り着いた真実は悲痛すぎる運命の扉を開けていく――。少年少女の切ない青春を描いた傑作恋愛ミステリ。

主人公で語り手の敦士は短気で喧嘩っ早い、その妹理奈はすぐ拗ねてへそを曲げるという情緒不安定な兄妹。ほかの登場人物にも感情移入の余地はなく、嫌悪感を覚えて途中で読むのを止めてしまう人がもしかしたら多いかもしれません。
愛か、青春か、冒険か、正直何を描きたいのか良く分かりません。特に前半は面白みがなく、文章にもキレが感じられず、困ったもんだなあと思いながらダラダラ読んでいました。しかし、終盤想像もしない事態が待っており、とんでもない着地点を作者は用意していました。やはりこの浦賀、只では終わりません。これ以上書くとネタバレしてしまいそうなので、この辺でやめますが、取り敢えず長くても最後まで読みましょうってことだけは言えます。

読み終えて、呆然としながらあのシーンはそういうことだったのかという感動が後からこみ上げてきます。こういった体験はそうそうあるものではなく、貴重な経験をさせてもらった気がします。

No.1 7点 虫暮部
(2015/02/02 12:12登録)
 色々突っ込みどころはあるが、ラストには意外と納得させられてしまった。語り手が情緒不安定で下らないミスを繰り返すのがイライラする、のが楽しい。

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