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ミステリの祭典

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六億九、五八七万円を取り返せ同盟!!
改題 「池袋カジノ特区 UNOで七億取り返せ同盟」

作家 古野まほろ
出版日2014年08月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 メルカトル
(2021/03/09 22:46登録)
カジノ解禁。禁煙法成立。池袋はヴェガス、シカゴだ。当然はびこるカジノ・マフィア。思わず6億円、勝っちゃったら?やっぱり全額、ぶんどられた…もちろん「取り返せ同盟」結成だ!1円もまからず、1円もたからず。ターゲットは日本のアル・カポネ、「池袋警察署長」。カジノ帝国のドンだって?カジノ史上、最も残酷で華麗なゲーム!!最後のカードで81億円!?一気読みしかできない21世紀仕様のコン・ゲーム。最後に騙されるマヌケは誰だ?
『BOOK』データベースより。

合法化された池袋カジノのスロットマシーンで偶然7億近い大金を手にした古野まほろ。しかし、それが丸ごとカジノ帝国のドンから奪われる。憤ったまほろは仲間たちと一芝居打ち、池袋警察署長とUNOで対決すると云うコン・ゲーム。署長の息子をミステリ小説の「綾辻賞」で釣るシーンが最も面白かったですね。講談社はそのまま、角潮社とか明らかに有栖川有栖や島田荘司と判る名前を出してきて、いかにもありそうな設定で、作家志望の心を鷲掴みし資金を調達するやり口にはニヤリとさせられました。

しかし、UNOとルーレットを組み合わせたゲームでの4対1の対決はあまりにも芝居じみていて、あまり緊迫感がなかったのは残念です。シナリオ通り上手くいきすぎて、手に汗握る博打の醍醐味は味わえませんでした。その辺りの描写力は阿佐田哲也の足下にも及びませんね。ストーリーとしては至って単純で、もう少し凝縮出来なかったものかと思います。

No.1 6点 虫暮部
(2014/09/30 12:25登録)
三つ巴とかでなく2組の対決なので、こっちが最終的に勝つだろうというのは想定出来てしまうのが、ちょっとだけ物足りない。ここまでやるかっていうラストではあったけれど。
 それはともかく、この作者に限らず、“物書き稼業はしんどいぜ~”と作中に滑り込ませるひとは多いが、新人に対する牽制なのだろうか。

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